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MERZ https://namiberlin.com ドイツ現代アートの"今"をレポート Tue, 05 Apr 2022 15:10:52 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.5.2 https://namiberlin.com/wp-content/uploads/2021/08/cropped-スクリーンショット-2021-08-09-17.37.02-32x32.png MERZ https://namiberlin.com 32 32 150804531 Solidarity with Ukraine『ウクライナへの連帯と支援活動』(2) https://namiberlin.com/solidarity-with-ukraine2/ https://namiberlin.com/solidarity-with-ukraine2/#comments Mon, 04 Apr 2022 21:52:28 +0000 https://namiberlin.com/?p=8560 新ナショナルギャラリー『Our Space to Help』

前回に引き続き、ウクライナとの連帯と支援活動について、今回はドイツ国内で行われている具体的なアクションや連帯表明を紹介する。(前回記事↓)


新ナショナルギャラリー『Our Space to Help』

昨年リニューアルオープンを迎えたベルリンの新ナショナルギャラリー。同美術館では3月6日、7日の二日間にわたり、ウクライナ支援のための寄付アクション『Our Space to Help』が開催された。
『Our Space to Help』は新ナショナルギャラリーのディレクターであるKlaus Biesenbachがベルリンを拠点に活動するアーティスト、アンネ・イムホフ(Anne Imhof)、オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)並びにそのアーティストチームと共同で企画。中央のオープンマイクではアーティストや来場者が現状に対する自身の考えや音楽を発表するなど、助け合い、交流の場として美術館上階を無料開放し、来場者に寄付を募った。
プロジェクトはベルリン・ビエンナーレ、ギャラリー・ウィークエンド・ベルリン、Akademie der Künste、Berlinische Galerie、グロピウス・バウなど、ベルリンの主要美術館・アートスペースの協力も得ている。

新ナショナルギャラリー『Our Space to Help』: 3月6日、7日(~24時)
https://www.smb.museum/nachrichten/detail/our-space-to-help-spendenaktion-in-der-neuen-nationalgalerie-am-5-und-6-maerz-2022/


K20『Stop War – space for solidarity im K20』

デュッセルドルフのK20美術館でも新ナショナルギャラリーと同様の取り組みが3月12日から始まった。同美術館はウクライナ及び戦争で被害を受けた人々への連帯を表明すると同時に、美術館に「space for solidarity(連帯のための空間)」を設けることを発表。「連帯のための空間」は助け合い、連帯の場として無料開放され、毎週土曜日にはワークショップやディスカッション、映画上映会などのイベントが継続的に行われる。

K20美術館 『Stop War – space for solidarity im K20』:毎週土曜日11時~18時
https://www.kunstsammlung.de/de/exhibitions/stop-war-space-for-solidarity


ドクメンタ15

キュレーターチーム、ルアンルパは、当初から、社会的なプロジェクトや世界的な不正に対するリアクションが、体制側を喜ばせる古典的な「良いアート」よりも重要であると明言している。
ドクメンタ15(6月開催)は会場となるFridericianumにルーマニア人アーティスト、Dan Perjovschiの『Anti War Drawings 2022』のバナーを掲げ、ウクライナへの連帯と反戦を表明した。また、6月18日から9月25日までの会期中には、Dan Perjovschiによる「私たちの緊急課題」についてのアクションも予定されている。
社会的な芸術祭として知られるドクメンタが現状に対する政治的な問題提起を行うことは間違いないだろう。


クラウディア・ロート文化大臣の提言

ドイツのクラウディア・ロート文化大臣はドイツ国内の劇場や美術館で、ウクライナの芸術と文化の発展を訴える講演を行い、美術館、劇場、文化施設に「ウクライナの芸術をもっと紹介しよう」と提言した。
クラウディア・ロートは芸術や文化を通じてウクライナへの連帯を呼びかけると同時に、ウクライナ侵攻後のロシア文化への過剰なボイコットにも警笛を鳴らしている。
「多様で豊かなロシア文化は、ヨーロッパの文化遺産であり、現在のヨーロッパ文化の一部である」と述べ「プーチンによって私物化されることは許さない」と、ロシアのプーチンを名指して批判した。

“ロシアの芸術と文化も見せてください-ロシアでは今、多くの人々が声を上げ、ウクライナへの攻撃を非難しています。” “ベラルーシの文化を見せてください-人々は民主主義のために懸命に戦ってきましたが、ウクライナが国から侵略されているのを目撃しなければなりません。” “もっと民主化が脅かされたすべての国のすべての文化を見せ、これらの国の同僚と助け合い、一緒に戦うのです “


ベルリン芸術大学(UdK)がウクライナの学生を支援

ベルリン芸術大学(UdK)がロシアのウクライナ侵攻を強く非難し、連帯することを表明。現在ウクライナにいる、あるいは避難中の学者、学生、アーティストに対してビザ、住居面での支援対策を打ち出すと同時にウクライナから逃れてきた学生を当面のあいだ、学生、ゲストとして迎え入れることを発表した。UdK在学中のウクライナ人、ロシア人学生に関してはカウンセリングなどを通して、精神的なケアもしていくという。

“私たちは、今生活を脅かされているウクライナの人々や、ウクライナの学生、教師、その家族や愛する人たちのことを気にかけています。私たちは、ウクライナで被災したすべての人々、そして同じくロシアで命がけで反戦デモを行っている人々と連帯します。また、BIPoC(黒人・先住民・有色人種)がウクライナから近隣諸国に逃れる際に直面する構造的な人種差別を非難します。現在ウクライナにいる、あるいは逃れてきた学生、学者、芸術家、文化人を支援するための具体的な支援策が実行に移されつつあります。連帯基金、難民のための宿泊施設、心理的サポート、ビザや居住に関するアドバイスなど、さまざまな活動を行っています。さらに、大学の学生や教員による取り組みもあります。

#UdKinSolidaritywithUkraine プレスリリース

その他、ドイツの多くの美大がSNSやHPを通してウクライナとの連帯を表明している。ハンブルク美大(HFBK)ではウクライナから逃れてきた美大生を対象に通常より簡略化した手続きで、夏ゼメスター(4月)から受け入れる方針を発表。また、ライプツィヒ美大(HGB)は難民の為の学習プログラム『Abendakademie(夜の大学)』を開設するなど、各大学が独自の支援対策を打ち出している。以下、インスタグラムでのウクライナへの連帯表明を紹介する。(その多くは政治的弾圧のため国を追われることとなったロシア人やベラルーシ人、国内で反戦デモを行うロシア人などへの連帯も強調されている。)
ベルリン芸術大学、ハンブルク美術大学、ニュルンベルク美術大学、ライプツィヒ美術大学、ブレーメン芸術大学、カールスルーエ芸術アカデミー、バウハウス大学、ドレスデン美術大学


ウクライナへの支援

  • 寄付をする。現物支給の場合は、それが本当に必要なものかどうか確認する。
    ベルリンの難民支援団体Be an Angel e.V. 。寄付金は全額、ウクライナからベルリンに逃れてきた難民への支援活動にあてられる。この記事へのサポート(投げ銭)は全額この団体への寄付金として使わせていただきます。

    Be an Angel e.V.  
    Konto: 014 522 59 00 
    BLZ :100 708 48 (Deutsche Bank)
    IBAN: DE37100708480145225900  
    BIC: DEUTDEDB110

    Be an Angel e.V.のHPからオンラインでの寄付も可能。
    www.beanangel.direct

    その他の支援団体、Caritas InternationalDeutsche Rote Kreuz (ドイツ赤十字)など
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Solidarity with Ukraine『ウクライナへの連帯と支援活動』 https://namiberlin.com/solidarity-with-ukraine/ https://namiberlin.com/solidarity-with-ukraine/#comments Mon, 04 Apr 2022 13:23:24 +0000 https://namiberlin.com/?p=8854
3月上旬のある日、ベルリン中央駅に立ち寄ると、黄色と青のウクライナ国旗と矢印が書かれた案内が多く目についた。気になってその先に進んでみると、U5(地下鉄)の入り口にたどり着く。
一時的な避難所として、食料や飲み物、衣服の無料配給ほか、寄付金の呼びかけや情報共有の掲示板、Free Wifiまで避難民が必要とする最低限の物資・情報が手配された駅構内。「バス、食べ物、住居」と、誰がみてもわかるような簡易的な紙の案内が掲示板に貼られ、近辺には避難してきた人のみならず、ボランティアスタッフ、自宅のスペースを提供しようする人や取材陣まで大勢の人で溢れていた。
ポーランドを経由して逃れてきたウクライナ難民の玄関口として、こうした避難所はベルリン各所に増え続けており、ロシアを非難し、ウクライナと共にあるという連帯の輪は現在「Solidarity with Ukraine(ウクライナへの連帯)」「No War(反戦)」のスローガンのもとデモや支援といったかたちで世界中に拡大している。

1ヶ月前から数千人から1万人のウクライナ難民が連日、ベルリンに到着している。ドイツは2015年にも多くの難民を受け入れたがそれとは比較にならない状況だという。一時的な休憩所となった駅構内には食料、飲み物、衣服の支給スペースほかワクチン接種所もあった。ベルリンの避難所(旧テーゲル空港、ホステルなど)はすでに満員状態、あるいは短期的な滞在しかできないこともあり、ここから別の街に向かっていく難民も多い。

ウクライナ語の情報が貼られた駅の柱


人々が助け合い、支援の手を差し伸べるこのような光景がメディアに大きく取り上げられるいっぽう、難民への人種差別や偏見といった問題も同時に浮上している。ウクライナの国境検問所で人種差別的な対応が起きているように、さまざまな背景も持つすべての難民が無条件で受け入れられているわけではない。
中国のアーティスト、アイ・ウェイウェイがインタビューで、そうした問題や欧米のダブルスタンダードについて次のように語っていたのが印象的だった。

「新聞を開いて、差別についてどれだけ小さなスペースしか与えられていないか見てください。あるいは、アメリカのアフガニスタン侵攻がどれだけ議論されなかったか。1週間でのウクライナの報道は、30年間のアフガニスタンの報道を上回っています。なぜ誰もイエメンでの戦争について語らないのか?人の命の価値はそれぞれ違うのか?私たちは、こうした対立を知りながら、気にも留めていない。」

https://www.derstandard.de/story/2000134231225/ai-weiwei-der-westen-ist-scheinheilig


これまでもドイツやヨーロッパを批判し、物議を醸してきたアイ・ウェイウェイ。「西洋は偽善者だ」という彼の発言はともすれば「連帯」に対する冷笑的な意見ともとれるが、アフガニスタンやギリシャ・イドメニなど世界中の難民キャンプを訪れ、難民問題と向き合い続けてきたアーティストの言葉として、少なくとも私のようなドイツに住む一外国人にとっては説得力があった。
ヨーロッパからしてみれば、他の紛争と違い、今回は全面戦争に発展しうる当事者だからこその連帯表明なのだろう。それでも実際に手厚いサポートを受けているのは同じ色の目と肌をもった「隣人」であり、BIPOC(黒人・先住民・有色人種)やウクライナの永住権を持たない外国人、留学生の一部は、肌の色や国籍といった序列により「選別」され、同様のサポートやケアを受けられない状況に置かれている。他の紛争地域から逃れてきた難民に至っては今回の特例を受けることすらできない。

ロシアによるウクライナ侵攻はもちろん強く非難されるきべきことであり許されないが、「ウクライナとの連帯」というスローガンによってかき消された小さな声もそこには存在する。連帯によって生じる断絶や差別もまたあってはならない。先に述べた人たちへの対応はもちろん、母国に帰りたくても帰れないロシア人留学生らの精神面・金銭面でのケアも早急に必要だろう。

ブランデンブルク門前の反戦デモ


自分の住んでいる世界とは関係ない、戦争は私たちの生きる世界では起こらない、これまでニュースで見聞きしていた紛争をどこか他人事のように眺めていた人は少なくないと思う。
私自身「ウクライナの連帯」を声高に叫べば叫ぶほど、これまで起きていた争いに対する自らの無関心や差別意識が炙り出されるような気がした。それでもただその推移を傍観しているよりは現状に対して声を上げ、何かしら行動を起こすべきだと思う。


ウクライナへの支援

  • 寄付をする。現物支給の場合は、それが本当に必要なものかどうか確認する。
    ベルリンの難民支援団体Be an Angel e.V. 。寄付金は全額、ウクライナからベルリンに逃れてきた難民への支援活動にあてられる。この記事へのサポート(投げ銭)は全額この団体への寄付金として使わせていただきます。

    Be an Angel e.V.  
     Konto: 014 522 59 00 
       BLZ :100 708 48 (Deutsche Bank)
    IBAN: DE37100708480145225900  
    BIC: DEUTDEDB110

    Be an Angel e.V.のHPからオンラインでの寄付も可能。
    www.beanangel.direct

    その他の支援団体、Caritas InternationalDeutsche Rote Kreuz (ドイツ赤十字)など
  • ボランティア活動に参加する
  • デモや集会、イベントに参加する
    K20美術館『Stop War – space for solidarity(連帯のためのスペース)』など
    https://www.kunstsammlung.de/de/exhibitions/stop-war-space-for-solidarity
  • 正しい情報を共有する
  • 宿泊場所を提供する
    https://www.unterkunft-ukraine.de
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ハンブルク美術大学HFBK『Jahresausstellung 2022』 https://namiberlin.com/hfbk-jahresausstellung-2022/ https://namiberlin.com/hfbk-jahresausstellung-2022/#comments Wed, 16 Mar 2022 22:50:19 +0000 https://namiberlin.com/?p=8524
ベルリン、デュッセルドルフ、ミュンヘン、フランクフルトの美大と並びドイツの有名美術大学のひとつに数えられるハンブルク美術大学(HFBK)。2月11日から2月13日にかけて開催されたHFBKのオープンスタジオ『Jahresausstellung 2022』では、オミクロン株の流行に伴い、※2Gプラスの入場制限がかかっていたものの、年に一度、全学生が展示する学内展とあって、展示を見るために足を運んできた多くの人が、大学前に長蛇の列を作っていた。
今回は大学隣に新たに建てられたスタジオ棟『Atelierhaus』のマスター課程の展示を紹介したい。


2Gプラス:ワクチン接種者(geimpfte)、感染からの快復者(genesene)でも陰性証明、もしくはブースター接種証明の提示が必要。

Atelier Neubau Aussenansicht frontal; Foto: Tim Albrecht

Atelier Neubau Lichthof; Foto: Tim Albrecht

マスタークラス計12のスタジオスペース(2階~4階)とギャラリースペース(一階)を設けた、本館に隣接する延べ床面積3700㎡のスタジオ棟『Atelierhaus』。学生数の増加に伴い十分な制作スペースを確保できない学生のための新たなスタジオとして、昨年、竣工し、今回『Jahresausstellung 2022』の一環として一般に初公開された。

なかに入って左側、通りに面した一階のギャラリースペースでは『Hiscox Kunstpreis(Hiscox芸術賞)』のノミネート作品が並ぶ。HFBK、12クラス(絵画、彫刻、タイムベースト・メディア)の各教授が推薦した学生12人のなかから、外部の審査員によって一人の学生に賞(7,500ユーロ)を授与する、2008年から毎年開催されているアワードらしい。

『Hiscox Kunstpreis』
今後、様々な用途に使われるというギャラリースペース『HFBK Galerie』

Prateek Vijan『ID Card
 Kunstverein in Hamburg

今回のアワード受賞者はサイモン・デニー/アンジェラ・ブロック クラス(タイムベースト・メディア)からインド出身のPrateek Vijan。参加型のインスタレーション『ID Card』では木片を観客が選び、自身でプログラミングしたスキャナーで読み取ることで木目から固有の音が奏でられる。

誰がどの木片を、なぜ選んだのか?スキャンは中立を装いつつも、産地、年代、サイズ、形状、つまりは「Identifikation(身分証明)」のために校正されるのです。聞こえる音は、対象が問われる瞬間であると同時に、識別や標準化のプロセスを経て、日常の一体感の中で連帯責任を負った後の私たちでもあるのです。

審査員(Krist Gruijthuijsen(KW ディレクター)、Fatima Hellberg(Bonner Kunstvereinディレクター)、Chloe Stead(フリーライター、frieze編集者)

https://hfbk-hamburg.de/de/service/pressemitteilungen/20220211-HISCOX-Kunstpreis-im-neuen-Atelierhaus-der-HFBK-Hamburg-vergeben/

向かいの展示スペースではロンドン芸術大学ゴールドスミス・カレッジとの展覧会交流プロジェクトでゴールドスミス・カレッジの学生約10人の作品が展示されていた。


『Atelierhaus』2階から4階の各フロアはそれぞれタイムベースト・メディア、彫刻、絵画に所属するマスター過程の学生のスタジオとして普段利用されている。マスターの展示というだけあって、全学生が展示するHFBK本館よりもクオリティの高い作品が多かった。ここからは各クラスの展示を簡単に紹介する。


絵画|Malerei 

絵画科の教授は Rajkamal Kahlon、Jutta Koether、Anselm Reyle、Jorinde Voigtの4人。
ネオン管、PVC、アクリル板、鏡など多彩なレディメイド素材を組み合わせた絵画/彫刻で知られるアンゼルム・ライラ(1970~)。ノーテーション(記譜法)とダイアグラム(図式)を用いた絵画/ドローイングを手掛けるヨリンデ・フォークト(1977〜)。フェミニズムやジェンダー・ポリティクスへの問題意識を出発点に絵画/パフォーマンス/コラボレーションを展開するユタ・クータ(1958〜)。植民地時代の歴史や暴力をテーマにリサーチベースの絵画を手掛けるRajkamal Kahlon。現代アートの第一線で活躍するアーティストがそれぞれ異なるポジションから教鞭を執る。

Klasse Anselm Reyle

アンゼルム・ライラ(Anselm Reyle)クラス
https://www.instagram.com/klassereyle.hfbk/?hl=de


Klasse Jutta Koether

ユタ・クータ(Jutta Koether)クラス


Klasse Jorinde Voigt

ヨリンデ・フォークト(Jorinde Voigt)クラス
https://www.instagram.com/klassevoigt.hfbk/?hl=de


タイムベースト・メディア|Zeitbezogene Medien

タイムベースト・メディアはビデオ、フィルム、スライド、音響、コンピュータなどテクノロジーを用いた、鑑賞が時間と共に展開していく媒体を指す。(ブルース・ナウマン、ピピロッティ・リスト、ビル・ヴィオラなど)
タイムベースト・メディア科では、暗号通貨、ブロックチェーンなどテクノロジーがもたらす社会的・政治的な諸問題をインスタレーションを通じて考察するサイモン・デニー(1982〜)、時間的側面をテーマに光、音、テキストを取り入れた彫刻を手掛けるアンジェラ・ブロック(1966〜)など、4人の教授が教鞭を執る。

Klasse Simon Denny

サイモン・デニー(Simon Denny)クラス
https://www.instagram.com/klassedenny.hfbk/?hl=de


彫刻|Bildhauerei

ハンブルクに限らずドイツの美大では木彫 、石彫 、塑像といった従来の伝統的かつ彫刻的な素材・手法を用いた表現を見ることは殆どない。2011年のターナー賞受賞アーティスト、マーティン・ボイス(1967〜)、写真と彫刻による横断的な表現で、虚構と現実の境界を問いかけるトーマス・デマンド(1964〜)など、教鞭を執る教授陣(4人)がそうであるように学生の作品も、ひとつのメディウム・素材に依存しない「現代アート」にコミットした領域横断的な表現(平面、立体、映像、インスタレーションなど)が多数を占める。

Klasse Thomas Demand

トーマス・デマンド(Thomas Demand)クラス


Klasse Andreas Slominski

Andreas Slominski クラス

一見、ただ紙を剥がしたあとの痕跡に見えるが近づいてよく見てみると、紙ではなく彫刻的なアプローチで物質的な強度をもたせていることがわかる。街中で日常的に目にする平凡で刹那的なモチーフを相反する素材でレディメイド的にシミュレートした作品。


Klasse Pia Stadtbäumer

Pia Stadtbäumer クラス
https://www.instagram.com/klassestadtbaeumer.hfbk/?hl=de

個人的に気になったAnna Bochkovaの作品。遊園地をモデルにしたという陶のインスタレーションはソ連崩壊後のロシアで過ごした幼少期の記憶を再構成したもの。身体の一部が組み込まれ、鎖で有機的に繋がれた陶製の建築的彫刻は、廃墟化した街や遊園地を彷彿とさせる。ロシア出身のAnna Bochkovaは個人的・文化的な物語とロシア宇宙主義の接続、ポストヒューマニズムといった概念をテーマに取り組んでいるという。


HFBK 教授一覧

今回紹介した絵画、彫刻、タイムベーストメディアの教授一覧(一応、黒:男性、白:女性)。HFBKの場合は一年間の基礎課程後、教授やクラスの学生との面談(試験)を経て特定の教授のクラスに入ることになる(入れない場合は廊下学生)。この他にも舞台芸術、デザイン、映像、グラフィック/写真などの学科も。
https://www.hfbk-hamburg.de/de/hochschule/professoren-nach-studienschwerpunkten/

絵画
Malerei 

Abel Auer
(基礎課程担当)
Rajkamal Kahlon
Jutta Koether
Anselm Reyle
Jorinde Voigt

彫刻
Bildhauerei

Michael Beutler
(基礎課程担当)
Martin Boyce
Thomas Demand
Andreas Slominski
Pia Stadtbäumer

タイムベースト・メディア
Zeitbezogene Medien

Angela Bulloch
Simon Denny
Jeanne Faust 
Annika Larsson
(基礎課程担当)
Michaela Melián

HFBKのYoutubeチャンネル
『Jahresausstellung 2022』HFBK本館の展示風景


ハンブルク美術大学『Jahresausstellung 2022』
会期 : 2022年2月11日~13日
https://www.hfbk-hamburg.de/de/stories/jahresausstellung-2022-der-hfbk-hamburg/

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https://namiberlin.com/hfbk-jahresausstellung-2022/feed/ 2 8524
ドイツ国内外アートニュース『1月~2月』 https://namiberlin.com/artnews2022-2-3/ Tue, 01 Mar 2022 08:09:48 +0000 https://namiberlin.com/?p=8411 ウクライナ侵攻に対するロシアアート界の反応

ロシアによるウクライナ侵攻に対してロシア国内でも抗議活動が広がっている。
今年の4月に開催するヴェネチア・ビエンナーレ、国別パビリオンで出展が予定されていたロシア館がビエンナーレの参加辞退を発表。ロシア館キュレーターのRaimundas Malašauskasはソ連時代を過ごしたウクライナ人としてこのプロジェクトを継続することはできないと述べ「この戦争は政治的にも感情的にも耐え難い」と声明を出した。
同じくロシア館代表アーティストのAlexandra SukharevaとKirill Savchenkovも「ミサイル攻撃で民間人が死に、ウクライナ国民が防空壕に隠れ、ロシアのデモ隊が鎮圧されているときに、アートの居場所はない。」とSNSで共同の声明を発表している。
一方、主催のヴェネチア・ビエンナーレは公式サイトで「この勇気ある行動に完全な連帯を表明する」とし、続けて「ビエンナーレは、芸術と文化の中で人々が出会う場所であり続け、対話と平和を妨げるために暴力を行使するすべての人々を非難する。」と、平和を呼びかけている。

There is no place for art when civilians are dying under the fire of missiles, when citizens of Ukraine are hiding in shelterswhen Russian protesters are getting silenced. As a Russian-born I won’t be presenting my work at Russian pavilion at Venice Biennale.

ミサイル攻撃で民間人が死に、ウクライナ国民が防空壕に隠れ、ロシアのデモ隊が鎮圧されてときに、アートの居場所はないのです。ロシアで生まれた私は、ヴェネチア・ビエンナーレのロシア館で作品を発表しません。

Alexandra Sukhareva, Kirill Savchenkov

https://www.facebook.com/alexandra.sukhareva/posts/10216857595512636

また、ロシア国内では一部の美術館も閉鎖に追い込まれている。モスクワの私立美術館、ガレージ現代美術館は、この戦争が続く限り、展覧会を開催しないという明確な反戦の意思を示した。
「このような出来事が起こっているときに、正常であるという幻想を支持することはできません。ガレージは、常にさまざまな声に開かれた国際的な美術館です。私たちは、分断を生み、孤立を生み出すようなあらゆる行為に断固として反対します。私たちは、戦争によって分断されていない、より大きな世界の一部なのです。」

ロシアのパンクバンド・アクティビストグループのプッシー・ライオット(Pussy Riot)はウクライナの民間団体のために、NFTによる資金調達プロジェクトを始動。ウクライナ国旗のNFTを販売し、その売上は、最も効果的で透明性のあるウクライナの慈善・ボランティア活動、Come Back Aliveのために利用される予定だという。


関連ツイート


美術館・ギャラリーの2Gルール解除

最新情報

ドイツ政府は3月20日までにCovid-19の制限を段階的に緩和していく計画を発表。
3月4日よりドイツ全域の美術館、小売店での2Gルール廃止(代わりにFFP2マスク着用を義務化)を予定しており、それに先立ち、ベルリンでは2月18日から美術館、ギャラリー(小売店)などの2Gルールが解除された。
3月4日からはレストラン、ホテルにおける2Gプラスルールが3Gルールに緩和され、長らく閉鎖していたクラブは2Gプラスルールにコロナテストを付けた形(代わりにマスク着用義務の廃止)で再開 が可能となる。


2Gプラスルール
ワクチン接種者(geimpfte)、感染からの快復者(genesene)でも陰性証明、もしくはブースター接種証明の提示が必要。
2Gルール
ワクチン接種者(geimpfte)、または感染からの快復者(genesene)の証明が必要。
3Gルール
ワクチン接種者(geimpfte)、感染からの快復者(genesene)、陰性証明 (getestete)、いずれかの証明が必要。


Kunsthalle Berlinに対する抗議

テンペルホーフ空港跡地(ベルリン)、旧格納庫に新しくできた私設のアートスペース『Kunsthalle Berlin』。その設立者であり、ボンの民間芸術文化財団(Stiftung für Kunst und Kultur e. V.)代表のWalter Smerling、並びに同アートスペースに対して、アーティストたちがボイコットの声を呼びかけている。同スペースでは現在、フランス人アーティスト、Bernar Venetの大規模な展覧会が開催中だがKunsthalle Berlin(ベルリン美術館)という聞きなれない名称に驚いた人も多いのではないか。

財団に対するアーティスト、市民の抗議は、昨夏に開催されたヨーロッパを拠点に活動する90人のアーティストによるグループ展「Diversity United」に端を発する。
同展覧会は「多様性」をテーマにした展覧会にも関わらず、運営委員会の12人はすべて白人男性で構成され、現在、ウクライナ侵攻を指揮するロシアのプーチンが後援になるなど、政治や企業の利権に絡んだプロジェクトであること、また、ドイツ外務省から100万ユーロという多額の資金(ナショナルギャラリーの予算よりも多い)を受け取っていることなど、展覧会における不透明な運営が明るみとなった。
ベルリンの市民やアーティストの求めているアートシーンのあり方に反したこのプロジェクトは現在、モスクワで開催されており、その後パリへの巡回が決まっているが、参加アーティストのうち10人以上が既に出展辞退を申し入れているという。(ロシアのウクライナ侵攻のためモスクワでの展覧会は中止、パリへの巡回も取り止めとなった。)
更に現在、同財団が企画したBernar Venetの展覧会においては、私設のスペースでありながら『Kunsthalle Berlin』という公的な名称を流用していることが問題視され、日増しに抗議の声が強まっている。
一連の抗議行動を受けて、Walter Smerlingは現在、この名称が「間違い」であったことを認め、変更する意思を表明している。

アンゼルム・キーファー
Diversity United 展 2021年

近年はアートフェアに使用されているテンペルホーフの旧格納庫スペース。Walter Smerlingはアートスペースとして2年間の賃貸契約を締結(ちなみにスペースの老朽化と、それに伴う莫大なランニングコストのため、「貧しい」ベルリンが公費で長期的にこの広大なスペースを運営することはほぼ不可能)したが、こうした公共空間の私的利用に対してヴォルフガング・ティルマンス、ヒト・シュタイエルといった多くのアーティストが異議を唱えている。


ゲルハルト・リヒター生誕90年記念展覧会がドイツ各地で開催

2月9日で90歳の誕生日を迎えたゲルハルト・リヒター。ドイツ各地でリヒターの誕生日を祝う展覧会が開催中。
日本でも6月から東京国立近代美術館で、10月から豊田市美術館でゲルハルト・リヒター展が開催予定。


『ビルケナウ』|K21(デュッセルドルフ) : 2021年12月18日~2022年4月24日
『ポートレート』|Albertinen(ドレスデン) : 2月5日~5月1日
『アーティストブック』|新ナショナルギャラリー(ベルリン) : 2月10日~5月29日
『コレクションから』|ルートヴィッヒ美術館(ケルン) : 2月1日~5月1日

ゲルハルト・リヒター『アーティストブック』展|新ナショナルギャラリー(ベルリン)
トレイラー


ヴォルフガング・ティルマンスの大規模な展覧会がMoMAで開催

ドイツを代表する写真家、ヴォルフガング・ティルマンス(1968~)の大規模な展覧会がこの秋、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催される。ティルマンスは1990年代初頭、若者やポップカルチャーを撮影した写真と展示空間に対する革新的なアプローチで知られるようになり、2000年には写真家としてはじめてターナー賞を受賞、現代アートにおいて最も重要なアーティストの一人に数えられるうようになった。
本展では過去40年間の写真、ビデオ、マルチメディア・インスタレーションなど約350点の展示を予定している。

現在ウィーンで開催中のヴォルフガング・ティルマンス展


ニューヨーク近代美術館
『Wolfgang Tillmans: To look without fear』
会期 : 2022年9月12日から12月31日
https://www.moma.org


ギャラリー・ウィークエンド・ベルリン
参加ギャラリー・アーティストを発表

ギャラリー、neugerriemschneider

18回目の開催を迎える春の一大イベント、ギャラリー・ウィークエンド・ベルリン。ブルース・ナウマン|Konrad Fischer Galerie、オスカー・ムリーリョ|Galerie Isabella Bortolozzi、ヴォルフガング・ライプ|Buchmann、アイ・ウェイウェイ|neugerriemschneiderなど、52のギャラリーが参加する。

会期: 4月29日~5月1日
https://www.gallery-weekend-berlin.de/journal/save-the-date-gallery-weekend-berlin-2022/


参加ギャラリー/アーティスト

Guido W. Baudach
Jürgen Klauke

 【Galerie Isabella Bortolozzi
Oscar Murillo

BQ】
Dirk Bell

Galerie Buchholz
Trisha Donnelly, Martin Wong

Buchmann
Wolfgang Laib

Capitain Petzel
Sanya Kantarovsky

carlier I gebauer
Nida Sinnokrot

 【ChertLüdde
Petrit Halilaj & Alvaro Urbano with Annette Frick 

Mehdi Chouakri
John M. Armleder, Charlotte Posenenske, Sol LeWitt, Peter Roehr

Contemporary Fine Arts
Francesca Facciola

【 Crone Berlin
Hamlet Lavastida

Dittrich & Schlechtriem
Yalda Afsah, Julian Charrière, Albrecht Dürer, Francisco de Goya, Andreas Greiner, Jenna Sutela, Analisa Teachworth, Jol Thoms, Sung Tieu, Jonas Wendelin

Ebensperger】
 Lea Draeger, Otto Muehl

Efremidis
Michelle Grabner, Günther Förg

Eigen + Art
Martin Groß, Lauren Lee McCarthy

Konrad Fischer Galerie
 Bruce Nauman

Lars Friedrich
Hans-Christian Lotz

Galerie Friese
Horst Antes

 【Galerie Michael Haas
Anton Henning

Heidi
Joan Jonas

Max Hetzler
Jérémy Demester, Günther Förg, Thomas Struth

Galerie Judin
Philipp Fürhofer

Kewenig
Bernd Koberling

Kicken Berlin
Klaus Rinke

Klemm´s
Adrian Sauer

Noah Klink
Taslima Ahmed

Klosterfelde Edition
Lena Henke

KOW
Anna Boghiguian

 【König Galerie
Xenia Hausner, Zhanna Kadyrova

Kraupa-Tuskany Zeidler
Pieter Schoolwerth

alexander levy
Egor Kraft

Meyer Riegger
Eva Koťátková,Meret Oppenheim

Neu
Louis Fratino

neugerriemschneider】
Thomas Bayrle, Ai Weiwei

Michel Majerus Estate
Joseph Kosuth, Michel Majerus, K.R.H. Sonderborg

Galerie Nordenhake
John Zurier

 【Peres Projects
Shuang Li, Stanislava Kovalcikova

Plan B
Adrian Ganea

PSM
Marilia Furma

Schiefe Zähne
 Matthias Groebel

Esther Schipper
David Claerbout

Galerie Thomas Schulte
Allan McCollum, Matt Mullican

Société
Conny Maier

 【Soy Capitán
Rachel Youn

 【Sprüth Magers
Sterling Ruby

Sweetwater
Luzie Meyer

Galerie Barbara Thumm
El Hadji Sy

Tanja Wagner
Anna Witt

Galerie Barbara Weiss
 Ser Serpas

Wentrup
Gerold Miller


第59回ヴェネチア・ビエンナーレ『The Milk of Dreams』
参加アーティスト発表

Selbstportrait, 1937-1938
レオノーラ・キャリントン (Leonora Carrington.1917~2011)
Fantastic Women展(2020年):シルン美術館(フランクフルト)

4月23日に開幕する第59回ヴェネチア・ビエンナーレ、そのメイン展示「The Milk of Dreams」に参加するアーティストが発表された。
アーティストは前回83組より大幅に増えて58カ国から213組が選出。そのうち女性が大半を占め(男性21人)、物故作家が95人という例年にない構成となった。参加アーティストにはミリアム・カーン、ナン・ゴールディン、バーバラ・クルーガー、ローズマリー・トロッケルといった国際的に活躍するアーティストから、ナショナルギャラリー賞2021の受賞者サンドラ・ムジンガ(Sandra Mujinga)、昨年schinkel pavillonでHRギーガーと共に展示したミレ・リー(Mire Lee)など近年活躍する若手アーティストまで幅広く名を連ねる。

展覧会タイトル「The Milk of Dreams」は出展アーティストの一人であり、シュルレアリストのレオノーラ・キャリントンの出版物から引用されたもので、本展は「身体の表現とその変容」「個人とテクノロジーの関係」「身体と地球のつながり」という3つのテーマを設け、合計約1400点の作品を展示予定。
また、トワイヤン、メレット・オッペンハイムといったシュルレアリスムのアーティストやバウハウスで学んだアーティスト兼デザイナー、マリアンネ・ブラント(1892-1983)と写真家、ゲートルード・アルント(1903-2000)など、これまで男性の影に隠れていた女性の「主人公」に焦点を当てた「タイムカプセル」の企画も予定しており、男性視点で書かれてきた美術史の正典をジェンダー、フェミニズムの視点から新たに問い直そうという挑戦的な主張も示されている。


参加アーティスト

1. Noor Abuarafeh
(1986~.エルサレム/オランダ)

2. Carla Accardi 
(1924~ 2014.イタリア)

3. Igshaan Adams 
(1982~.南アフリカ)

4. Eileen Agar 
1899,ブエノスアイレス – 1991,ロンドン)

5. Monira Al Qadiri 
(1983~,セネガル/ベルリン)

6. Sophia Al-Maria 
(1983~,USA/ロンドン)

7. O’zlem Altın 
(1977~,ドイツ/ベルリン)

8. Marina Apollonio 
(1940~,イタリア)

9. Gertrud Arndt 
(1903,ポーランド~ 2000,ドイツ)

10. Ruth Asawa
(1926 ~2013,USA)

11. Shuvinai Ashoona 
(1961~.ヌナブト)

12. Belkis Ayón
(1967~1999.キューバ)

13. Firelei Báez
(1981~,サンチアゴ/USA)

14. Felipe Baeza
(1987~,メキシコ/ USA)

15. Josephine Baker
(1906,USA ~1975,パリ)

16. Djuna Barnes
(1892 – 1982,USA)

17. Mária Bartuszová
(1936プラハ~1996,スロバキア)

18. Benedetta
(1897~1977,イタリア) 

19. Mirella Bentivoglio
(1922,オーストリア – 2017, イタリア)

20. Merikokeb Berhanu
(1977~,エチオピア/USA)

21. Tomaso Binga 
(1931~,イタリア)

22. Cosima von Bonin 
(1962~,ケニア/ドイツ)

23. Louise Bonnet
(1970~,スイス/USA)

24. Marianne Brandt
(1893~1983,ドイツ)

25. Kerstin Brätsch
(1979~,ハンブルク/NY)

26. Dora Budor
(1984~,クロアチア/USA)

27. Eglė Budytytė 
(1981~,リトアニア) 

28. Liv Bugge 
(1974~ ,ノルウェー)

29. Simnikiwe Buhlungu
(1995~,南アフリカ/アムステルダム)

30. Miriam Cahn
(1949~,スイス)

31. Claude Cahun 
(1894,フランス– 1954, UK)

32. Elaine Cameron-Weir
(1985〜,カナダ/NY)

33. Milly Canavero
(1920~2010,イタリア)

34. Leonora Carrington
(1917,UK – 2011,メキシコ)

35. Regina Cassolo Bracchi
(1894~1974, イタリア)

36. Ambra Castagnetti
(1993~,イタリア )

37. Giulia Cenci
(1988~,イタリア/アムステルダム)

38. Giannina Censi 
(1913~1995,イタリア)

39. Gabriel Chaile 
(1985~,アルゼンチン/ポルトガル)

40. Ali Cherri
(1976~,レバノン/パリ)

41. Anna Coleman Ladd
(1878 ~1939, USA )

42. Ithell Colquhoun
(1906,インド – 1988,UK)

43. Myrlande Constant
(1968~,ハイチ)

44. June Crespo 
(1982~,スペイン)

45. Dadamaino
(1930 – 2004, イタリア)

46. Noah Davis
(1983~ 2015,USA )

47. Lenora de Barros
(1953~,サンパウロ)

48. Valentine de Saint-Point 
(1875,フランス~1953,エジプト)

49. Lise Deharme
(1898~1980, フランス)

50. Sonia Delaunay
(1885,ウクライナ~1979, フランス)

51. Agnes Denes
(1931~,ハンガリー/NY)

52. Maya Deren
(1917,ウクライナ~1961,NY)
53. Lucia Di Luciano
(1933~,イタリア)

54. Ibrahim El-Salahi 
(1930~,スーダン/UK)

55. Sara Enrico
(1979~,イタリア)

56. Chiara Enzo
(1989~,イタリア)

57. Andro Eradze
(1993~,グルジア)

58. Jaider Esbell
(1979~,ブラジル)

59. Jana Euler
(1982~,ドイツ/ベルギー)

60. Minnie Evans
(1892~1987, USA) 

61. Alexandra Exter 
(1882,ポーランド~1949, フランス)

62. Jadé Fadojutimi
(1993~,ロンドン)

63. Jes Fan
(1990~,NY/香港)

64. Safia Farhat
(1924~2004.チュネジア)

65. Simone Fattal
(1942~,シリア/パリ)

66. Célestin Faustin
(1948~1981, ハイチ)

67. Leonor Fini 
(1907, ブエノスアイレス~ 1996, パリ)

68. Elsa von Freytag-Loringhoven
(1874,ポーランド~1927, パリ)

69. Katharina Fritsch
(1956~,ドイツ)

70. Ilse Garnier
(1927,ドイツ~2020, フランス)

71. Aage Gaup
(1943~2021,ノルウェー)

72. Linda Gazzera
(1890, イタリア~1942, サンパウロ)

73. Ficre Ghebreyesus 
(1962, エリトリア~2012, USA)

74. Elisa Giardina Papa
(1979~イタリア/NY)

75. Roberto Gil de Montes
(1950~, メキシコ)

76. Nan Goldin
(1953~,USA)

77. Jane Graverol
1905ベルギー~1984, フランス)

78. Laura Grisi
(1939ギリシャ~ 2017イタリア)

79. Karla Grosch
(1904, ドイツ~1933,イスラエル) 

80. Robert Grosvenor
(1937~, USA)

81. Aneta Grzeszykowska
(1974~,ポーランド)

82. Sheroanawe Hakihiiwe
(1971~,ベネズエラ)

83. Florence Henri 
(1893NY~1982,フランス)

84. Lynn Hershman Leeson
(1941~, USA)

85. Charline von Heyl
(1960~,ドイツ/NY)

86. Hannah Höch
(1889~1978,ドイツ)

87. Jessie Homer French
(1940~, USA)

88. Rebecca Horn
(1944~, ドイツ)

89. Georgiana Houghton
(1814,スペイン– 1884, ロンドン)

90. Sheree Hovsepian
(1974~,イラン/NY)

91. Tishan Hsu
(1951~, USA)

92. Marguerite Humeau
(1986~,フランス/ロンドン)

93. Jacqueline Humphries
1960~, USA 

94. Kudzanai-Violet Hwami 
(1993~,ジンバブエ/ロンドン)

95. 池田龍雄
(1928~2020, 日本)

96. Saodat Ismailova
(1981~, ウズベキスタン/パリ)

97. Aletta Jacobs
(1854~1929, オランダ)

98. Geumhyung Jeong
(1980~,韓国)

99. Charlotte Johannesson
(1943~,スウェーデン)

100. Loïs Mailou Jones
(1905~ 1998,USA )

101. Jamian Juliano-Villani 
(1987~,USA)

102. Birgit Jürgenssen
(1949 – 2003,ウィーン)

103. Ida Kar
(1908, ロシア~1974, ロンドン)

104. Allison Katz
(1980~,カナダ/ロンドン)

105. Bronwyn Katz 
(1993~,南アフリカ)

106. Kapwani Kiwanga 
(1978~, カナダ/パリ)

107. Kiki Kogelnik
(1935~1997,オーストリア)

108. Barbara Kruger
(1945~, USA)

109. 工藤哲巳
(1935~1990, 日本)

110. Gabrielle L’Hondelle Hill
(1979~, カナダ)

111. Louise Lawler
(1947~, USA)

112. Carolyn Lazard
(1987~,USA)

113. Mire Lee
1988~, 韓国/アムステルダム)

114. Simone Leigh 
(1967~, USA)

115. Hannah Levy
(1991~, NY)

116. Tau Lewis
(1993~, カナダ/NY)


117. Shuang Li 
(1990~, 中国/ベルリン)

118. Liliane Lijn 
(1939~, NY/ロンドン)

119. Candice Lin
(1979~, USA )

120. Mina Loy
(1882, UK ~1966, USA)

121. Antoinette Lubaki
(1895,コンゴ ~ ? )

122. LuYang
(1984~,上海)

123. Zhenya Machneva 
(1988~, ロシア)

124. Baya Mahieddine
(1931~1998, アルジェリア)

125. Maruja Mallo
(1902~1995,スペイン )

126. Joyce Mansour
(1928,UK ~1986, パリ)

127. Britta Marakatt-Labba 
(1951~,スウェーデン)

128. Diego Marcon
(1985~,イタリア)

129. Sidsel Meineche Hansen
(1981~,デンマーク/ロンドン)

130. Maria Sibylla Merian
(1647, ドイツ~1717, アムステルダム)

131. Vera Molnár 
(1924~, ハンガリー/パリ)

132. Delcy Morelos
(1967~, コロンビア)

133. Sister Gertrude Morgan 
(1900~1980,USA )

134. Sandra Mujinga
(コンゴ/ベルリン)

135. Mrinalini Mukherjee
(1949~2015, インド)

136. Nadja 
(1902~1941,フランス)

137. Louise Nevelson 
(1899, ウクライナ~1988, NY)

138. Amy Nimr 
(1898, エジプト~1974, パリ)
139. Magdalene Odundo (1950~,ケニア/UK )

140. Precious Okoyomon
(1993~, ロンドン/NY)

141. Meret Oppenheim
(1913, ベルリン~ 1985, バーゼル)

142. Ovartaci 
(1894~1985,デンマーク)

143. Virginia Overton
(1971~,USA )

144. Akosua Adoma Owusu 
(1984~,USA )

145. Prabhakar Pachpute
(1986~, インド )

146. Eusapia Palladino
(1854~1918,イタリア)

147. Violeta Parra
(1917~1967, チリ)

148. Rosana Paulino
(1967~,サンパウロ)

149. Valentine Penrose
(1898, フランス~1978, UK )

150. Elle Pérez 
(1989~, NY)

151.Sondra Perry
(1986~, USA)

152. Solange Pessoa
(1961~,ブラジル) 

153. Thao Nguyen Phan
(1987~, ベトナム)

154. Julia Phillips
(1985~, ドイツ)

155. Joanna Piotrowska
(1985~,ワルシャワ/ロンドン)

156. Alexandra Pirici
(1982~, ルーマニア)

157. Anu Põder 
(1947~2013, エストニア)

158. Gisèle Prassinos
(1920, イスタンブール~2015, パリ )

159. Christina Quarles
(1985~,USA)

160. Rachilde
(1860~1953, フランス)

161. Janis Rafa
(1984~, アテネ/アムステルダム)

162. Alice Rahon 
(1904~,フランス~1987, メキシコ) 

163. Carol Rama
(1918~2015, イタリア)

164. Paula Rego
(1935~, ポルトガル/ロンドン)

165. Edith Rimmington
(1902 ~1986, UK )

166. Enif Robert 
(1886~1974,イタリア) 

167. Luiz Roque
(1979~,ブラジル)

168. Rosa Rosà 
(1884, ウィーン~1978, イタリア)

169. Niki de Saint Phalle
(1930, フランス~ 2002, USA)

170. Giovanna Sandri
(1923~ 2002, ローマ)

171. Pinaree Sanpitak 
(1961~,バンコク)

172. Aki Sasamoto 
(1980~,日本/NY)

173. Augusta Savage
(1892~1962, USA) 

174. Lavinia Schulz and Walter Holdt 
(1896~1924, ドイツ)

175. Lillian Schwartz 
(1927~, USA)

176. Amy Sillman 
(1955~ , USA)

177. Elias Sime
(1968~, エチオピア)

178. Marianna Simnett 
(1986~,ロンドン/ベルリン)

179. Hélène Smith
(1861~1929,スイス)

180. Sable Elyse Smith 
(1986~, USA )

181. Teresa Solar
(1985~, マドリード)

182. Mary Ellen Solt 
(1920~ 2007, USA)

183. P. Staff 
(1987~, UK/ USA )

184. Sophie Taeuber-Arp 
(1889~1943, スイス)

185. Toshiko Takaezu
(1922~2011, USA )

186. Emma Talbot
(1969~, UK )

187. Dorothea Tanning 
(1910~ 2012, USA)

188. Bridget Tichenor
(1917,パリ~ 1990,メキシコ)

189. Tecla Tofano
(1927, イタリア~1995, ベネズエラ) 

190. Josefa Tolrà
(1880 – 1959,スペイン)

191. Tourmaline 
(1983~, USA)

192. Toyen
(1902, プラハ~1980, パリ)

193. Rosemarie Trockel
(1952~, ドイツ)

194. Wu Tsang
(1982~, USA/チューリッヒ)

195. Kaari Upson 
(1970~2021,USA)

196. Andra Ursuta
(1979~,ルーマニア/NY)

197. Grazia Varisco
(1937~, ミラン)

198. Remedios Varo
(1908,スペイン – 1963, メキシコ)

199. Sandra Vásquez de la Horra 
(1967~, チリ/ベルリン)

200. Marie Vassilieff
(1884, ロシア~1957, フランス)

201. Cecilia Vicuña
(1948~, チリ/NY)

202. Nanda Vigo 
(1936~ 2020, ミラン)

203. Marianne Vitale 
1973~, USA 

204. Raphaela Vogel
(1988~, ドイツ)

205. Meta Vaux Warrick Fuller
(1877 ~1968, USA )

206. Laura Wheeler Waring
(1887~1948, USA)

207. Ulla Wiggen
(1942~,ストックホルム)

208. Mary Wigman
(1886~1973, ドイツ)

209. Müge Yilmaz 
(1985~, イスタンブール/アムステルダム)

210. Frantz Zéphirin
(1968~, ハイチ)

211. Zheng Bo
(1974~, 中国/香港)

212. Unica Zürn 
(1916, ベルリン~1970, パリ)


213. Portia Zvavahera (1985~, ジンバブエ)
 



第59回ヴェネチア・ビエンナーレ
『The Milk of Dreams』
キュレーターはハイラインアート(NY)のディレクター兼チーフキュレーターのCecilia Alemani(ヴェネチア・ビエンナーレの歴史上、イタリア人女性のキュレーターは今回が初めて)

会期 : 2022年4月23日~11月27日
https://www.labiennale.org/en/art/2022

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8411
ドイツ国内展覧会ハイライト2022『1月~3月』 https://namiberlin.com/exhibition-1-3-2022/ Thu, 17 Feb 2022 22:37:24 +0000 https://namiberlin.com/?p=8315 ゲルハルト・リヒター Ema (Akt auf einer Treppe) 1966年
ルートヴィヒ美術館(ケルン)コレクション

ドイツ美大オープンスタジオ、ヴォルフガング・ティルマンス展、ゲルハルト・リヒター生誕90年記念展など、ドイツ国内(とウィーン)で開催中の展覧会、1月から3月にかけて開催予定の展覧会を紹介する。

パンデミック下の入場規制
オミクロン株の拡大に伴い、今年に入ってドイツ全土で飲食店における2Gプラスルール(ワクチン接種者(geimpfte)や感染からの快復者(genesene)であっても、店内飲食の際にブースター接種または陰性証明の提示が必須)が適用された。美術館やギャラリー入場の際には今のところ2Gルール(ワクチン接種者or快復者のみ入場可)が適用されているものの、美大のオープンスタジオやオープニング、イベントなど人が集まる場所では2Gプラスの証明が必要なことが多い。


ドイツ美大 オープンスタジオ
『Rundgang / Jahresausstellung』

ドイツの美大では年に一度、オープンスタジオ形式の学内展が開催される。展示はほぼ全学生が参加しているのでドイツの美大に興味がある人には特におすすめ。ベルリン、ミュンヘンなどの美大は夏開催。

ハンブルク美術大学
Hochschule für bildende Künste Hamburg 
『Jahresausstellung 2022』

会期: 2月11日~2月13日 (2Gプラス)
https://hfbk-hamburg.de/de/aktuelles/jahresausstellung/

Jahresausstellung 2022


ライプツィヒ美術大学
Die Hochschule für Grafik und Buchkunst Leipzig 
『Rundgang of HGB 2022』

会期: 2月10日~2月13日 (2Gプラス)
https://www.hgb-leipzig.de/en/academy/calendar/1179


デュッセルドルフ芸術アカデミー
Kunstakademie Düsseldorf 
『Rundgang 2022』

会期: 2月16日~2月20日 (2G)
https://www.kunstakademie-duesseldorf.de/die-akademie/rundgang/

Sommer Rundgang 2021


シュテーデルシューレ
Städelschule
『Rundgang 2022』

会期: 2月18日~2月20日 (2Gプラス)
https://staedelschule.de/de/calendar/rundgang-2022

Rundgang 2020


Kunstpalast |デュッセルドルフ

『エレクトロ : クラフトワークからテクノまで』
ELECTRO. Von Kraftwerk bis Techno

100年以上の電子音楽の歴史とアートの接点を包括的に紹介するドイツでは過去に類を見ない展覧会がクンストパラストで開催。「電子音楽」というジャンルを、300以上の展示品や体験型の展示を通して多角的に照らし出し、ハイライトとなるクラフトワークの作品からテクノまで電子音楽の歴史を概観する。

出展アーティスト・ミュージシャン・デザイナー
1024 Architecture, Daft Punk, Agnes Dahan, Laurent Garnier, Andreas Gursky, Haqq, Jean-Michel Jarre, Jacob Khrist, Kraftwerk, Christian Marclay, Mouse on Mars, Tina Paul, Bruno Peinado, Marie Staggat, Karlheinz Stockhausen, Gisèle Vienne, Sasha Waltz.

会期: 12月9日~5月15日
https://www.kunstpalast.de/electro


mumok |ウィーン

ヴォルフガング・ティルマンス(Wolfgang Tillmans.1968~)
『Schall ist flüssig』

1990年代以降、同世代で最も重要なアーティストの一人として、写真表現を牽引してきたヴォルフガング・ティルマンス。ポップカルチャーやクラブカルチャーの若者たちを撮影した初期の作品群、ポートレート、インテリア、風景、静物、抽象イメージ、宇宙… 、更に37カ国で撮影した建築を扱ったビデオ作品、ミュージックフィルムなど、これまでの仕事から最新作までティルマンスの全貌を紹介する。

会期: 12月12日~4月24日
https://www.mumok.at/de/node/185945


Schinkel Pavillon|ベルリン

H・R・ギーガー&ハンス・ベルメール
HR Giger & Hans Bellmer

映画『エイリアン(1979年)』の造形デザインを手掛けたH・R・ギーガー(1940~2014)とドイツ人シュルレアリスト、ハンス・ベルメール(1902~1975)の展覧会がSchinkel Pavillonで開催。
ナチスが理想とする新古典主義の「アーリア人像」への抵抗として人体を変形させたエロティックな身体を発表し、アンドレ・ブルトンをはじめとする多くのシュルレアリストに受け入れられたハンス・ベルメール。彼に影響を受けたと明言するギーガーもまた、幻想的な暗黒世界を描き、ベルメール同様に当時の美学や道徳観に挑戦し続けた。
本展では両者に共通する「抵抗する身体」をテーマにギーガーの代表的な彫刻、初期の絵画、ドローイングとベルメールのグラフィック、写真作品を紹介する。

会期: 1月22日~3月20日
https://www.schinkelpavillon.de

展示風景


K21|デュッセルドルフ

ゲルハルト・リヒター
(Gerhard Richter.1932〜)
『Birkenau-Zyklus』

アウシュビッツ・ビルケナウ強制収容所の囚人が密かに撮影した4枚の写真を出発点に描かれたゲルハルト・リヒターの『ビルケナウ』シリーズ(2014年)。最初の段階でキャンバスに忠実に描き写された写真のイメージは、ホロコーストという主題における表象の難しさから、後に上から絵具で塗りつぶされ、最終的には4点の大きな抽象絵画へと帰結している。
ゲルハルト・リヒターの作品のなかでもとりわけ重要な本作は、4枚の灰色の鏡と、もととなった絶滅収容所の写真とともに、反射・参照・言及によって紐づく空間的なインスタレーションとして現在、K21で展示されている。
(その後ビルケナウシリーズは東京国立近代美術館で6月7日から開催されるゲルハルト・リヒター展にも展示予定。)

会期: 2021年12月18日~2022年4月24日
https://www.kunstsammlung.de/de/exhibitions/gerhard-richter

Augsburger Diözesanmuseum 2020年


ルートヴィッヒ美術館|ケルン

ゲルハルト・リヒター
『Sammlungspräsentation zum 90. Geburtstag von Gerhard Richter』

ケルンを拠点に長年活動してきたゲルハルト・リヒター。ルートヴィッヒ美術館には初期の代表的なフォトペインティングである『Ema』(1966年)や1971-72年のヴェネツィア・ビエンナーレへの出展作である『48 Portraits』などリヒターの重要な作品が何点も収蔵されている。本展ではリヒターの90歳の誕生日を記念して、美術館コレクションの中からポートレート、抽象絵画、ガラス、鏡の作品などを展示する。

会期: 2月1日~5月1日
https://www.museum-ludwig.de/de/ausstellungen/gerhard-richter-sammlungspraesentation.html


Albertinum|ドレスデン

ゲルハルト・リヒター
『Portraits. Glas. Abstraktionen』

ゲルハルト・リヒターの出生地であるドレスデンではリヒターの90歳の誕生日(2月9日)を記念して、3つの作品群『ポートレート・ガラス・抽象』約40点からなる展覧会が開催。

会期: 2月5日~5月1日
https://gerhard-richter-archiv.skd.museum/gerhard-richter-portraits-glas-abstraktionen/


新ナショナルギャラリー|ベルリン

ゲルハルト・リヒター
『Gerhard Richter Künstlerbücher』

ゲルハルト・リヒターの最初のアーティストブックは、1966年にシグマー・ポルケとのコラボレーションで制作された。それ以来、リヒターにとって本という媒体は作品や自身のアーティストとしてのイメージを理解するために、欠かせないものとなっている。
リヒターの90歳の誕生日に際して開催される本展は「アーティストのイメージ」「偶然のイメージ」「写真のイメージ」の3つのテーマで構成。これまであまり注目されることのなかったアーティストブックという側面からリヒターの思考、ものの見方を考察する。

会期: 2月10日~5月29日
https://www.smb.museum/museen-einrichtungen/neue-nationalgalerie/ausstellungen/detail/gerhard-richter-kuenstlerbuecher/


新ナショナルギャラリー|ベルリン

アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル
(Anne Teresa De Keersmaeker.1960~)

『Rosas. Dark Red』

ベルギーのブリュッセルを拠点に長きにわたって国際的に活躍するコンテンポラリーダンスカンパニー「ローザス」。
これまでパリのルーブル美術館、ケルンのコロンバ、バーゼルのバイエラー財団で公演されたローザスの『ダーク・レッド』シリーズでは、美術館の建築空間との対話を通してダンス、音楽、彫刻、建築の相互的なパフォーマンスを披露してきた。
振付家、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルが呼吸をモチーフに考案した新ナショナルギャラリーのための『ダーク・レッド』が4日間限定で公演される。

会期: 3月24日~3月27日
https://www.smb.museum/museen-einrichtungen/neue-nationalgalerie/ausstellungen/detail/anne-teresa-de-keersmaeker-rosas-dark-red/

アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル/Rosas X “Dark Red Beyeler” 2020年
バイエラー財団美術館


ボン美術館

マリア・ラスニック (Maria Lassnig.1919~2014)
『Wach bleiben』

オーストリアを代表する画家、マリア・ラスニック(1919~2014)は数多くの自画像やポートレートを通して自身や他者の身体への認識といった実存的な問題と向き合い、絵画における身体表象を探求してきた。ボン美術館では、「言語と非言語」、「写真と絵画」といったテーマに沿って約40点の作品を展示する。

会期: 2月10日~5月8日
https://www.kunstmuseum-bonn.de/de/ausstellungen/maria-lassnig/

Ausschnitt aus: Maria Lassnig, “Du oder ich” (2005), Öl auf Leinwand, Foto: Gerd Mörsch während der Wiener Ausstellung im MUMOK (2009) © Maria Lassnig VG-Bildkunst


シュテーデル美術館|フランクフルト

アンドレアス・ミューエ(Andreas Mühe.1979~)
『Stories of Conflict』

ドイツ新世代の写真表現を牽引するアンドレアス・ミューエの展覧会がフランクフルトで開催。
社会の亀裂、暴力、ドイツ人のアイデンティティ、自身と家族の歴史… 。社会的、歴史的、政治的なテーマを扱い、多大な費用と労力をかけて、大判カメラでドラマチックに演出した作品群。シュテーデル美術館では過去作から最新作まで45点の作品を紹介する。

会期: 2月16日~6月18日
https://www.staedelmuseum.de/de/ausstellungen/andreas-muehe

アンドレアス・ミューエ展 Deichtorhallen Hamburg 2017年


グロピウス・バウ|ベルリン

ダヤニータ・シン(Dayanita Singh.1961~)
『Dancing with my Camera』

写真表現において先駆的な活動を続けてきたインド出身の写真家ダヤニータ・シン。
チーク材でできた家具のような構造体に、自身の写真イメージを自由に入れ替え、組み合わせ、アーカイヴすることができる編集可能な移動式の「美術館」を考案し、インドの社会問題を捉えた作品シリーズなどを発表。本展では初期の作品から主要作品、グロピウス・バウのために特別に作られた作品など、これまでの活動を包括的に紹介する。

会期: 3月18日~8月7日
https://www.berlinerfestspiele.de/de/berliner-festspiele/programm/bfs-gesamtprogramm/programmdetail_366042.html

Dayanita Singh, Museum of Chance, 2013
© Dayanita Singh


旧ナショナルギャラリー|ベルリン

ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin.1848~1903)
『Why Are You Angry?』

植民地時代のエキゾチシズムやエロティシズムといった概念とゴーギャン作品の関係を考察する本展。
Angela Tiatia (ニュージーランド/オーストラリア), Yuki Kihara (サモア/日本) 、Nashashibi/Skaer (イギリス)、 Henri Hiro (ポリネシア)といった現代のアーティストの作品を並置し、ポストコロニアルの視点からゴーギャン自身が作り上げた「野生のアーティスト」の神話を検証する。

会期: 3月25日~7月10日
https://www.smb.museum/museen-einrichtungen/alte-nationalgalerie/ausstellungen/detail/paul-gauguin-why-are-you-angry/

Tahitianische Fischerinnen  1891年


ブンデスクンストハレ|ボン

シモーヌ・ド・ボーヴォワール
Simone de Beauvoir (1908~1986)
『Das andere Geschlecht』

1949年、作家であり思想家でもあるシモーヌ・ド・ボーヴォワールは西洋諸国における女性の状況を論じた『第二の性』を発表。性的イニシエーション、レズビアンの愛、中絶といったタブーを扱ったこの書籍は当時、批判と敵意の的となり大きなスキャンダルを巻き起こした。女性学やジェンダー研究の基礎となり、後世のフェミニストに多大な影響を与えることとなったこの本はどのようにして生まれたのか。
本展では、実存主義の哲学が新しい基準を打ち立てた戦後のパリで、この作品が生まれた経緯をたどり、女性運動における「フェミニズムのバイブル」の意義と受容を紹介する。

会期: 3月4日~10月16日
https://www.bundeskunsthalle.de/ausstellungen/index.html

人は女に生まれるのではない、女になるのだ
On ne naît pas femme. On le devient.

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ベルリン展覧会ハイライト『Berlin Art Week 2021』 https://namiberlin.com/berlin-art-week-2021/ Fri, 17 Sep 2021 13:26:03 +0000 https://namiberlin.com/?p=7613 一年のなかでベルリンのアートシーンが最も盛り上がりを見せる一週間、ベルリン・アート・ウィーク。今年は美術館、大型イベント以外は事前予約、陰性証明不要のところがほとんどで去年の同時期と比べると規制がかなり緩和された印象。
今回の記事ではベルリン・アート・ウィークの注目展覧会と、アートウィーク枠外のおすすめ展覧会(『31: Women』展、ネオ・ラオホ展、ヘンリケ・ナウマン展)を紹介する。(展覧会概要は後々追記していく予定)


Wilhelm Hallen

HALLEN #2
『Yes to all』

去年に引き続き、第二回目となるWilhelm Hallenの展覧会プロジェクト『Yes to all』。旧製鉄所の広大な廃墟空間で8つのギャラリー(Alexander Levy, ChertLüdde, Klemm’s, KOW, Kraupa-Tuskany Zeidler, Plan B, HUA International, PSM)から50人以上のアーティストの作品が展示される。

会期 : 9月15日~19日
事前予約、要陰性証明orワクチンパス
https://wilhelm-hallen.de

展示風景


ケーニッヒギャラリー

MISA DISCOVERIES

ケーニッヒギャラリー主催のアートフェア『MISA』。ギャラリー・アート・ウィークの一環で開催される『MISA DISCOVERIES』ではドイツではまだあまり知られていない新世代のアーティスト19人を紹介する。

会期 : 9月9日~9月19日
一般 : 10ユーロ
https://misa.art/collections/vip-preview-misa-discoveries

MISA#3


haubrok foundation

Judith Hopf (1969~)
『 LUFT』

会期 : 9月12日~10月30日
要陰性証明orワクチンパス
https://haubrok.org/besuch/


PalaisPopulaire

『Artists of the Year 2021』

ヴィクター・マン(2014)、田中功起(2015)といった国際的に活躍するアーティストも過去に受賞してきたドイツ銀行主催の「アーティスト・オブ・ザ・イヤー」。10周年の今年は、はじめて3人のアーティストが同時受賞。Maxwell Alexandre(1990~.ブラジル)、Conny Maier(ドイツ)、Zhang Xu Zhan(1988~.台湾)の作品が展示される。

会期 : 9月15日~2月7日
https://palaispopulaire.db.com/Exhibitions/current-exhibition/artist-of-the-year

展示風景 Conny Maier


『Ways of Seeing Abstraction』

ドイツ銀行コレクションから「抽象」に焦点を当てた作品168点を紹介。14カ国47人のアーティストによる多様な作品が一堂に会する。

出展アーティスト
Markus Amm, Rana Begum, Otto Boll, Kerstin Brätsch, Cabrita, Ernst Caramelle, Carlos Cruz-Diez, Adriana Czernin, Helmut Federle, Gunther Förg, Günter Fruhtrunk, Franziska Furter, Rupprecht Geiger, Katharina Grosse, Pedro Paiva, Erwin Heerich, Bernhard Härtter, Daniel Hunziker, Jürgen Jansen, Olav Christopher Jenssen, Jennie C. Jones, Kapwani Kiwanga, Imi Knoebel, Tadaaki Kuwayama, Thomas Locher, Fabian Marti, Bernd Minnich, Wilhelm Müller, Nima Nabavi, Erin O´Keefe, Albert Oehlen, Susanne Paesler, Blinky Palermo, Jorge Pardo, Georg Karl Pfahler, Charlotte Posenenske, Lothar Quinte, Gerhard Richter, Peter Roehr, Ulrich Rückriem, Fred Sandback, Karin Sander, Kai Schiemenz, Richard Serra, Dieuwke Spaans, Ulrich Wendland, Claudia Wieser, Beat Zoderer

会期 : 3月27日~2022年2月7日
https://palaispopulaire.db.com/Exhibitions/current-exhibition/ways-of-seeing-abstraction

展示風景 Kerstin Brätsch


Neuer Berliner Kunstverein(n.b.k.)

Tomas Schmit (1946~2006)
Retrospektive

1960年代初頭にジョージ・マチューナスが提唱した、ブルジョワ芸術に対抗する前衛芸術の動向フルクサス。
初期の頃から運動に関わり、フルクサスの形成に大きな役割を果たしたトーマス・シュミットの回顧展がn.b.k.で開催。

会期 : 9月15日~2022年1月23日
https://www.nbk.org/ausstellungen/aktuell.html

展示風景


ハンブルガーバーンホフ現代美術館

『Preis der Nationalgalerie 2021』

ハンブルガーバーンホーフ現代美術館で隔年開催されるドイツ在住、40歳以下の若手アーティストを対象にしたアワード Preis der Nationalgalerie(ナショナルギャラリー賞)。ハンブルガーバーンホーフではノミネートされた4組のアーティストによる展覧会が開催。10月7日には2021年のPreis der Nationalgalerie受賞者が発表される。前回受賞者、Pauline Curnier Jardinの個展も9月19日まで。

Lamin Fofana(ベルリン在住)
Calla Henkel & Max Pitegoff(デュオ) (アメリカ、1988~,1987~. ベルリン在住)
Sandra Mujinga(コンゴ民主共和国、1989~.ベルリン、オスロ在住)
Sung Tieu (ベトナム、1987~. ベルリン在住)

会期 : 9月16日~2022年2月27日
事前予約制
https://preisdernationalgalerie.de/png-21-shortlist/

展示風景 Sung Tieu


ヨーゼフ・ボイス
『Von der Sprache aus』

会期 : 9月19日まで
要事前予約
https://www.smb.museum/en/exhibitions/detail/starting-from-language/

Pauline Curnier Jardin
『Fat to Ashes』

会期 : 9月19日まで
要事前予約
https://www.smb.museum/en/exhibitions/detail/pauline-curnier-jardin/

Pauline Curnier Jardin 展示風景


Akademie der Künste

『NOTHINGTOSEENESS 』
Leere/Weiß/Stille

「Leere(空虚)」「Weiß(白)」「Stille(静寂)」、とそれに関連する物質性と非物質性の違いに焦点を当てた『NOTHINGTOSEENESS 』。音と静寂、充実感と空虚感、複雑さと単純さ、意味と無意味さの関係をテーマに、国際的に活躍する75名のアーティストの作品が展示される。

参加アーティスト

Peter Ablinger, Absalon, Frank Badur, Mirosław Bałka, Rosa Barba, Gerhard Bohner, George Brecht, Trisha Brown, Klaus vom Bruch, Günter Brus, John Cage, Enrico Castellani, Rutherford Chang, Max Dax, Ulrike Draesner, Maria Eichhorn, Olafur Eliasson, Ulrich Erben, Ceal Floyer, Lucio Fontana, Sam Francis, Katharina Fritsch, Heinz Gappmayr, Jochen Gerz, Raimund Girke, Eugen Gomringer, Gotthard Graubner, Katharina Grosse, Hans Haacke, Marcia Hafif, David Hammons, Oskar Holweck, Stephan Huber, Alfonso Hüppi, Pierre Huyghe, Ray Johnson, Isaac Julien, Ellsworth Kelly, Per Kesselmar, Astrid Klein, Yves Klein, Harald Klingelhöller, Bernd Koberling, Christina Kubisch, Raimund Kummer, Mark Lammert, Henning Lohner, Inge Mahn, Piero Manzoni, Joseph Marioni, Sara Masüger, Reiner Maria Matysik, Bruce Nauman, Yoko Ono, Roman Opałka, David Ostrowski, Nam June Paik, Otto Piene, Thomas Rentmeister, Bridget Riley, Robert Ryman, Karin Sander, Hanns Schimansky, Michael Schirner, Gregor Schneider, Jan J. Schoonhoven, Nina Schuiki, George Segal, Qiu Shihua, Strawalde, Mark Tobey, James Turrell, Günther Uecker, Timm Ulrichs, Lothar Wolleh

会期 : 9月15日~12月12日
事前予約制
https://www.adk.de/de/programm/?we_objectID=62812


Julia Stoschek Collection

『A FIRE IN MY BELLY』

アメリカのアーティスト、David Wojnarowiczの未完の映画から引用した展覧会タイトル『A FIRE IN MY BELLY』。エイズが流行した80年代、社会的不公正と抑圧に満ちた社会に直面し、抵抗したWojnarowiczの作品をはじめ、「暴力」や「喪失」をテーマに様々な世代から集められた30人以上のアーティストの作品が展示される。

出展アーティスト
Sophia Al-Maria, Peggy Ahwesh, Monica Bonvicini, Bernadette Corporation, Paul Chan, Thomas Demand, Maria Anna Dewes, Karl Wilhelm Diefenbach, Marcel Dzama, Trisha Donnelly, Tracey Emin, Brock Enright, Cyprien Gaillard, Barbara Hammer, Leila Hekmat, Anne Imhof, Arthur Jafa, Rindon Johnson, Zoe Leonard, Klara Lidén, Adam McEwen, Ana Mendieta, Asier Mendizabal, Colin Montgomery, Nandipha Mntambo, Adrian Piper, Laure Prouvost, Rob Pruitt, Robin Rhode, Bunny Rogers, Marianna Simnett, Jack Smith, P. Staff, caner teker, Kandis Williams, David Wojnarowicz

会期 : 2月2日~12月12日
https://www.jsc.art/exhibitions/a-fire-in-my-belly


Zeiss-Großplanetarium

『The New Infinity 2021』

会期 : 9月17日~19日
https://www.berlinerfestspiele.de/de/the-new-infinity/start.html


Haus am Waldsee

トニー・クラッグ(Tony Cragg.1949~)
『DRAWING AS CONTINUUM』

ヴッパータールとベルリンを拠点に活動に活動するイギリスの彫刻家、トニー・クラッグ。本展では世界的な成功を収めているアーティストのペーパーワークに焦点を当て、ドローイング、リトグラフ、水彩画など200点以上の作品を発表する。

会期 : 9月17日~2022年1月9日
https://hausamwaldsee.de/aktuell/


Berlinische Galerie 

アリシア・クワデ(Alicja Kwade .1979~)
『In Abwesenheit』

人体を構成する化学元素を24個のガラス製アンプルに入れた「自画像」。自身のDNAを解析し、314,000枚の紙に印刷した大規模なインスタレーション。スチール製の巨大なリングに取り付けられた24個のスピーカーから展示空間に鳴り響くクワデの鼓動。人間とその肉体は空間と時間の中でどのように存在しうるのか。『In Abwesenheit(不在のなかで)』をテーマにしたアリシア・クワデの展覧会が開催。

会期 : 9月18日~2022年4月4日
オープニング : 9月17日 : 18時~22時
https://berlinischegalerie.de/ausstellung/alicja-kwade/


フェルディナント・ホドラー(Ferdinand Hodler.1853~1918) 

会期 : 9月10日~2022年1月17日
https://berlinischegalerie.de/ausstellung/ferdinand-hodler/


マルティン・グロピウス・バウ

Thea Djordjadze(1971~)
『all building as making』


考古学者ハインリッヒ・シュリーマンの考古学的発見物を展示するため、1881年に設計されたグロピウス・バウのシュリーマン・ホール。歴史的なホールの文脈に紐づけた仮設的な彫刻インスタレーションなど、ベルリンを拠点に活動するグルジア人アーティスト、Thea Djordjadzeによるベルリン初の組織的な展覧会がグロピウス・バウで開催。

会期 : 9月18日~2022年1月16日
事前予約制
https://www.berlinerfestspiele.de/de/berliner-festspiele/programm/bfs-gesamtprogramm/programmdetail_299733.html


Schinkel Pavillon

HR GIGER & MIRE LEE

スイス出身の画家・デザイナー・造形作家のH・R・ギーガー(1940~2014)と韓国のアーティストMire Lee(1988~)の作品を組み合わた展覧会がSchinkel Pavillonで開催。
リドリー・スコットの映画『エイリアン』の造形デザインで、一躍世界にその名を轟かせたH・R・ギーガー。本展では初期のシュルレアリスム的な油彩画、ドローイング、彫刻、そして未発表の日記など、包括的に作品を紹介し、シュルレアリストとしてのギーガーに再び光を当てる。
対するMire LeeはSchinkel Pavillonのために制作したキネティック彫刻のインスタレーションを展示。ダークでグロテスクなギーガーの人物像、セクシャリティ、身体性、テクノロジーを内包したMire Leeの彫刻。両者の作品がSchinkel Pavillonの展示空間のなかで邂逅する。

会期 : 9月18日~2022年1月2日
オープニング : 9月17日 : 19時〜
要陰性証明orワクチンパス(オープニングのみ)
https://www.schinkelpavillon.de/de/exhibition/h-r-giger-mire-lee

展示風景


Gallery Weekend *Discoveries

5月に引き続き、今年2回目となるギャラリー・ウィークエンド。「ニュー・ディスカバリー」をテーマに多くの参加ギャラリーが、まだそのギャラリーで展覧会をしたことのないアーティストを紹介する。
Galerie Buchholz/ピーター・フィッシュリ、Galerie Isabella Bortolozzi(EDEN EDEN)/ジェイ・チュン&キュウ・タケキ・マエダ、neugerriemschneider/トマス・サラセーノ、Konrad Fischer Galerie/ヴォルフガング・ライプ、Max Hetzler/ジュリアン・シュナーベルなど約50のギャラリーが参加。

9月17日、18日 : 11時~19時
https://www.gallery-weekend-berlin.de/journal/discoveries-2021-galleries-and-artists/

ケーニッヒギャラリー  Daniel Arsham展


KINDL – Zentrum für zeitgenössische Kunst

 Alexandra Bircken (1967~)
『Fair Game』

細胞膜、器官、衣服など内と外の境界線としての「皮膚」をメインテーマに制作するAlexandra Bircken(ミュンヘン芸術アカデミー教授)。KINDLのkesselhausで大規模なインスタレーションが実現。

会期 : 9月18日~2022年5月15日
オープニング : 9月18日: 14時~22時
9月18日のみ要事前予約
https://www.kindl-berlin.de/bircken


Tatjana Doll(1970~)
『Was heißt Untergrund?』

会期 : 9月18日~2022年2月27日
https://www.kindl-berlin.de/doll


Brücke-Museum

ARS VIVA 2022

ドイツ在住の35歳以下の若手アーティストを対象にしたアワード『Ars-Viva-Preis』。推薦された55人のアーティストの中から3人のアーティストが受賞。Tamina Amadyar(1989~.アフガニスタン)、Lewis Hammond(1987~.UK)、Mooni Perry(1990~.韓国)による展覧会がブリュッケ美術館で開催。

会期 : 9月19日~11月28日
オープニング : 9月18日 : 12時~20時
要陰性証明orワクチンパス(オープニングのみ)
https://www.bruecke-museum.de/en/programm/ausstellungen/1343/ars-viva-2022-in-dialogue-with-the-brcke-museums-collection


Kunsthaus Dahlem

ヘンリケ・ナウマン (Henrike Naumann.1984~)
『Einstürzende Reichsbauten』

会期 : 8月8日~11月28日
https://kunsthaus-dahlem.de/ausstellung/henrike-naumann-einstuerzende-reichsbauten/


Daimler Contemporary

『31: Women』
(Exhibition Concept after Marcel Duchamp, 1943)

ペギー・グッゲンハイムとマルセル・デュシャンがキュレーションを行った、アメリカ初の女性アーティストの展覧会「Exhibition by 31 Women」(1943年)と「The Women」(1945年)。Daimler Contemporaryでは、そのオマージュとして『31: Women』と題された展覧会を開催。Daimlerのコレクションからミニマリズム、ZERO、初期のフェミニズム作品など、国際的なアーティストによる60点の作品を紹介する。

出展アーティスト

Anni Albers,Leonor Antunes,Ilit Azoulay,Anna Beothy Steiner,Amit Berlowitz,Madeleine Boschan,Max Cole,Mary Corse,Dadamaino,Ulrike Flaig,Andrea Fraser,Dominique Gonzalez-Foerster,Beate Günther,Marcia Hafif,Isabell Heimerdinger,Tamara K.E.,Sonia Khurana,Annu Palakunnathu Matthew,Kazuko Miyamoto,Charlotte Moorman,Zanele Muholi,Nnenna Okore,Silke Radenhausen,Berni Searle,Lerato Shadi,Efrat Shvily,Natalia Stachon,Katja Strunz,Adejoke Tugbiyele,Amalia Valdés,Andrea Zittel

会期 : 9月26日まで
https://art.daimler.com

展示風景


Gutshaus Steglitz

ネオ・ラオホ(Neo Rauch.1960~)
『Der Beifang』

新ライプツィヒ派を代表する画家、ネオ・ラオホ。作家の個人コレクションから2000年以降に制作された紙媒体の油彩画を展示。

会期 : 3月15日~9月27日
https://www.berlin.de/ba-steglitz-zehlendorf/auf-einen-blick/kultur/gutshaus-steglitz/ausstellungen/neo-rauch-der-beifang-1060628.php


Berlin Art Week 2021
9月15日~19日
https://berlinartweek.de


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ドイツ国内外展覧会ハイライト『9月~11月』 https://namiberlin.com/exhibition-9-11-2021/ Sat, 11 Sep 2021 20:38:02 +0000 https://namiberlin.com/?p=7611 9月から11月にかけて開催予定の注目展示(ヨーロッパ)を紹介。会期終了が近い順に載せています。


シュテーデルシューレ|フランクフルト
Städelschule

卒業制作展
Absolventenausstellung 2021
『THE WHISTLE』

サイモン・フジワラ、アンネ・イムホフ、ヤン・へギュ、ヤン・ヴォーなど、国際的に活躍するアーティストを数多く輩出してきたドイツの名門美術大学、シュテーデルシューレ。現在は使われていないオフィスビルを舞台に、絵画、彫刻、映像、ドローイング、写真、インスタレーションなど14カ国から集まった卒業生24人の作品が展示される。

会期 : 9月3日~9月19日
場所 : Schaumainkai 69,60596
https://www.staedelschule.de/de/calendar

シュテーデルシューレ 
Rundgang 2020


ベルリン・アート・ウィーク
Berlin Art Week

一年のなかでベルリンのアートシーンが最も盛り上がりを見せる一週間、ベルリン・アート・ウィーク。Berlinische Galerieのアリシア・クワデ展、ハンブルガーバーンホーフのPreis der Nationalgalerie 2021など、街の至る所でアートフェア、展覧会、ギャラリーオープニング、アートイベントなどが開催される。(別記事でまとめます)

会期 : 9月15日~9月19日
https://berlinartweek.de


Art Basel|バーゼル

会期 : 9月24日~26日
https://www.artbasel.com


エトワール凱旋門|パリ
Arc de triomphe de l’Étoile

クリスト&ジャンヌ=クロード(Christo.1935~2020)
『L’Arc de Triomphe, Wrapped』

クリスト(1935~2020)とジャンヌ=クロード(1935~2009)は、二人がパリで出会って3年後の1961年より、公共空間での作品制作を開始。以降、パリのポンヌフ、ベルリンのライヒスタークなど、建造物を梱包する大規模なプロジェクトを数多く手掛けてきた。60年代前半から温めてきた最後のプロジェクト『L’Arc de Triomphe, Wrapped(包まれた凱旋門)』がクリストの意思を継ぐかたちでこの秋いよいよ実現する。

会期 : 9月18日~10月3日
https://christojeanneclaude.net/artworks/arc-de-triomphe-wrapped/


ベルリン芸術大学
UdK

 オープンスタジオ
『Rundgang 2021』

コロナの影響で10月に延期となった夏恒例のベルリン芸術大学のオープンスタジオ『Rundgang』。
現在のコロナの規制に考慮した上、デジタルとアナログの両方で10月29日から10月31日までの3日間開催される。

会期 : 10月29日~10月31日
https://www.udk-berlin.de/universitaet/marketing-zentrale-veranstaltungen/zentrale-veranstaltungen/rundgang-tage-der-offenen-tuer-der-udk-berlin/

Rundgang 2019


Art Cologne 2021|ケルン

1967年に設立された世界で最も古いアートフェアのひとつ、アートケルン。毎年、20カ国以上から約200のギャラリーが参加するドイツ最大規模のアートフェアがパンデミックによる幾度かの延期を経て11月に開催される。

会期 : 11月19日~21日
https://www.artcologne.de

Art Cologne 2019


Gemäldegalerie Alte Meister|ドレスデン

ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer.1632~1675)
『Vom Innehalten』

ドレスデン絵画館に所蔵されているフェルメール初期の傑作『窓辺で手紙を読む女』。
1979年のX線調査で壁面にキューピッドが描かれた画中画が塗り潰されていることが判明、長年フェルメール自身が消したと考えられてきたが、何者かによって消されていたという最新の調査結果が2019に発表された。大規模な修復プロジェクトを経て当初の姿を取り戻した『窓辺で手紙を読む女』がドレスデン古典絵画館で初公開される。加えてフェルメール全作品(35点)のうち10点もの作品が一堂に会する。

会期 : 9月10日~2022年1月2日
https://gemaeldegalerie.skd.museum/ausstellungen/vermeer-johannes-vermeers-dresdner-briefleserin-am-offenen-fenster-und-die-hollaendische-genremalerei-des-17-jahrhunderts/


MKM Museum Küppersmühle |デュイスブルク

アンドレアス・グルスキー(Andreas Gursky .1955~)

ドイツの写真表現を牽引するアンドレアス・グルスキー。個別のショットをデジタルで合成した集合的なイメージ、現実を写しながらもどこか虚構性を帯びた絵画的な視覚世界。本展では初期の作品から新作まで40年にわたる作品約60点を展示する。

会期 : 9月9日~2022年1月30日
http://www.museum-kueppersmuehle.de

「Kreuzfahrt (Cruise) (2020)」
Sprüth Magers(ベルリン) アンドレアス・グルスキー展 2020年


Hamburger Kunsthalle| ハンブルク

ヴェルナー・ビュットナー(Werner Büttner.1954~)
『Last Lecture Show』

マルティン・キッペンベルガー、アルバート・オーレンとともに、1980年代初頭からドイツのアートシーンに多大な影響を与えたヴェルナー・ビュートナー。30年以上にわたり教鞭を執ってきたハンブルク美術大学のビュットナークラスでは、ダニエル・リヒターやヨナタン・メーゼをはじめとする数多くのアーティストを輩出してきた。Hamburger Kunsthalleではハンブルク美術大学の教授職を退任するにあたり、ビュットナーの退任記念展を開催。1980年代初頭から現在までの油彩画、コラージュ作品など約100点の作品が展示される。

会期 : 10月15日~2022年1月16日
https://www.hamburger-kunsthalle.de/presse/ausstellungen/werner-buettner


トワイヤン ( TOYEN.1902~1980)

本名(Marie Anna Čermínová) に表れる女性性を拒否してフランス語の「市民(シトイヤン)」から名をとり、チェコ・シュルレアリスムの中心メンバーとして活動したトワイヤン。ドイツ初の大規模な回顧展となる本展ではエロティシズム、反乱、夢、ユーモア、錬金術などの中心的なテーマに焦点を当てながら、120点以上の絵画、80点以上のドローイング、コラージュ、版画、さらにはアーティストの手紙、写真など約300点の展示物を紹介する。
彼女が芸術活動のなかで取り組んだ自由、政治的、性的、芸術的アイデンティティの問題、そして社会的に規定された境界線の探求など、今日の視点からトワイヤンの芸術実践を探る。

会期 : 9月24日~2022年2月13日まで
https://www.hamburger-kunsthalle.de/presse/ausstellungen/toyen

Fantastic Women展 2020年
シルン美術館(フランクフルト)


Kunsthalle Düsseldorf|デュッセルドルフ

ジグマー・ポルケ(Sigmar Polke.1941~2010)
『Produktive Bildstörung』

ジグマー・ポルケの生誕80年を記念した展覧会がKunsthalle Düsseldorfで開催。イメージの操作、多重露光、色彩の実験、化学的介入による変化…。ポルケの錬金術師ともいえる絵画への多彩なアプローチは後世のアーティストの大きな影響を与えてきた。本展では『Produktive Bildstörung(イメージの生産的な破壊)』というテーマに基づいて、ジグマー・ポルケと現代のアーティスト8人の作品が展示される。

出展アーティスト
Kerstin Brätsch, Phoebe Collings-James, Raphael Hefti, Camille Henrot, Trevor Paglen, Sigmar Polke, Seth Price, Max Schulze, Avery Singer

会期 : 11月13日~2022年2月6日
https://www.kunsthalle-duesseldorf.de/ausstellungen/produktive-bildstoerungsigmar-polke-und-aktuelle-kuenstlerische-positionen/

Hamburger Kunsthalle 常設展


Kunstmuseum Bern |ベルン(スイス)

メレット・オッペンハイム(Meret Oppenheim.1913~1985)
Mon exposition

スイスのシュルレアリスムを代表するアーティスト、メレット・オッペンハイム。マン・レイの有名な写真シリーズのヌードモデル、マックス・エルンストとの恋愛関係など、当時の多くの女性アーティストがそうだったのようにシュルレアリストグループのなかでは、ミューズとしての側面に光を当てられ、その作品群は長い間、美術史の周縁に追いやられていた。
過去最大の回顧展となる本展では1929年から1985年までのオブジェ、絵画、彫刻、ドローイングなど、約180点の作品を紹介する。

会期 : 10月22日~2022年2月13日
https://www.kunstmuseumbern.ch/de/sehen/heute/1013-meret-oppenheim-120.html

Foto: The Museum of Modern Art, New York Meret Oppenheim “Object (Objet)”, 1936

自由は与えられるものではなく、自分で獲得しなければならない
„Die Freiheit wird einem nicht gegeben, man muss sie nehmen“


 Haus der Kunst|ミュンヘン

ハイディ・ブッハー(Heidi Bucher.1926~1993)
『Metamorphosen』

スイス人アーティスト、ハイディ・ブッハーは1993年に亡くなるまで、一貫して「殻」「内と外」「身体と建築」「集団と個人の記憶」というテーマに取り組んできた。室内の壁、窓、ドア、床を液体ラテックス塗料で覆い、部屋の痕跡を「皮」のように剥ぎ取り、部屋の微細な構造を細部までトレースした作品は建築内部を型取ったレイチェル・ホワイトリードの彫刻やス・ドホの作品を想起させる。
芸術とファッションの相互作用に魅せられた初期の作品、彼女自身を包みこんだパフォーマティブでジェンダーレスな身体彫刻、家父長制的な室内構造をラテックス製の彫刻に転化させた象徴的な作品など、ブッハーの中心的な作品群が一堂に会する包括的な回顧展が Haus der Kunstで開催。

9月17日~2022年2月13日
https://hausderkunst.de/ausstellungen/heidi-bucher

部屋は殻であり、皮である。抑圧されたもの、無視されたもの、浪費されたもの、失われたもの、沈んだもの、平らになったもの、荒廃したもの、逆転したもの、希薄になったもの、忘れられたもの、迫害されたもの、傷ついたものなど、次々と皮を剥いで捨てていく。
“Rooms are shells, they are skins. Peel off one skin after the other, discard it: the repressed, the neglected, the wasted, the lost, the sunken, the flattened, the desolate, the reversed, the diluted, the forgotten, the persecuted, the wounded.”


マルティン・グロピウス・バウ|ベルリン

ザネレ・ムホリ(Zanele Muholi .1972~)

自らをビジュアル・アクティビストと称し、2000年代初頭から南アフリカの黒人LGBTQIA+コミュニティの生活を写真で記録してきたザネレ・ムホリ。あまり知られていない初期のシリーズ、『Faces and Phases』『Brave Beauties』といった黒人のクィアやトランスジェンダーの生活を捉えた写真シリーズなど、差別や抑圧へ抵抗、人種的暴力、自己主張をテーマにしたムホリの写真活動の全容を紹介する。

会期 : 11月26日~2022年3月13日
https://www.berlinerfestspiele.de/de/berliner-festspiele/programm/bfs-gesamtprogramm/programmdetail_331291.html

『Intimacy: New Queer Art from Berlin and Beyond』展
Schwules Museum(同性愛博物館、ベルリン)


Deichtorhallen|ハンブルク

トム・サックス(Tom Sachs.1966~)
『SPACE PROGRAM: RARE EARTHS (SELTENE ERDEN)』

小惑星「4-Vesta」へのスペースミッションをテーマにした本展。会期中、来場者は一連の課題や質問を受ける「教化プロセス」を通して、サックスのチームの一員としてインスタレーションに参加する権利を得ることができる。
9月18日のオープニングではサックスと彼のチームによる「マラソン・デモンストレーション」を公開。小惑星ベスタの科学的調査、鉱物の採取、宇宙飛行士への食事の提供、エンターテイメントプログラム、ミッション中の排泄物の処理、さらには日本の茶道など、宇宙旅行の手順に従って「宇宙ミッション」の儀式が行われる。

会期 : 9月19日~2022年4月10日
https://www.deichtorhallen.de/ausstellung/tom-sachs


E-WERK Luckenwalde|ベルリン

POWER NIGHTS: Being Mothers

旧石炭火力発電所を改装した現代アートセンター、E-WERK。2019年に始まった『POWER NIGHT 』では毎年、国際的なゲストキュレーターを起用し、「エネルギー生産」と「アート」を組み合わせた展覧会プログラムが行われる。
2021のキュレーションにはLucia Pietroiusti(ロンドンのサーペンタインギャラリー、General Ecologyの創設者兼キュレーター、2021年上海ビエンナーレの共同キュレーター、第58回ヴェネチア・ビエンナーレのリトアニア館「Sun & Sea」のキュレーター)を招聘。環境への配慮、受胎能力、受精、地球、土地など、人間以上に大きな文脈についての考察、芸術的介入を紹介し、9ヶ月にわたる累積的な展示プログラムを展開する。「スローキュレーション」に焦点を当てた新しい展示形態も見どころの一つ。

参加アーティスト
Revital Cohen & Tuur Van Balen、Cooking Sections、Karrabing Film Collective、Isabel Lewis & Sissel Tolaas、Tabita Rezaire、Himali Singh Soin(パフォーマンス、インスタレーション、映像作品など)

会期 : 10月22日~2022年7月
場所 : E-WERK Luckenwalde(ベルリン中心部から電車で南に40分)
https://www.kunststrom.com/power-night-2021-en.html

Karrabing Film Collective

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スーザン・フィリップス(Susan Philipsz.1965~)『The Calling』『Slow Fresh Fount』 https://namiberlin.com/susan-philipsz/ Sun, 29 Aug 2021 12:58:06 +0000 https://namiberlin.com/?p=7404


ベルリンを拠点に活動するスコットランド出身のアーティスト、スーザン・フィリップス。2010年にはターナー賞を受賞し、その後もドクメンタ13、マニフェスタ10をはじめとした数多くの国際展に参加するなど、自らの歌声や環境音を室内外の空間に投影したサイトスペシフィックなサウンド・インスタレーションで、音の空間的・彫刻的特質を探究してきた。
今回の記事ではボンとベルリンで開催されたスーザン・フィリップスの2つの展覧会『The Calling』『Slow Fresh Fount』を紹介したい。


ボン中心部にある、現在は使われていないボン市民ゆかりの市営プール「 Viktoriabad」。1970年頃に作られた歴史ある屋内プールには大きなステンドグラスから柔らかい光が差し込み、当時の状態をほとんどそのままにして、スーザン・フィリップスの歌声が静謐な空間に響き渡る。ボン美術館で開催された「Sound and Silence」展に際して、開催されたスーザン・フィリップスの新作インスタレーション『The Calling』だ。
Viktoriabadのために作られた本作は無線通信のパイオニアであるイタリア人の発明家、グリエルモ・マルコーニが唱えた「すべての音は、いったん発生すると決して純粋な沈黙にはならず、静かに、しかし決して沈黙しない痕跡として私たちの宇宙にへと浸透していく」という論文に触発されたという。
プール底と飛び込み台に設置されたスピーカーからはフィリップスの歌声が流れ、それぞれの旋律が重なり合った美しいポリフォニーが空間全体に反響する。

Seven Tears (2017)

The Calling』は4つの異なるサウンド・インスタレーションで構成されている。プロローグとなるのはジョン・ダウランドが1604年に作曲した器楽曲「Lachrimae(ラクリマエ)(涙)」をベースとした「Seven Tears」だ。同時代のヨーロッパで絶大な人気を誇ったラクリマエは「人間が神の領域から地上の生活の深みに落ちていく」という考えを反映しており、「Seven Tears」では水の量を変えたワイングラスの縁を指でなぞることで、ラクリマエの7つの涙を「グラス・ハープ」で表現している。
プール底に設置された7個のスピーカーから流れるワイングラスの音の軌跡=7つの涙は、空間的に距離を置きながらも、互いに集まり、立体的な音のうねりとなって彫刻的かつ没入的な音響空間を立ち上げている。 

1971年に完成した合成樹脂製のステンドグラス、現在は重要文化財に指定されている。

The Calling(2020/21 )

続く「The Calling」は、この室内空間を特徴づけるWilhelm Jungherzのステンドグラスから着想を得たという。*間欠泉が湧き出ている様子、水の上昇と下降を抽象的に描いたこのステンドグラスは、溢れ出てて、こぼれ落ちる涙を暗示している。こうした水のモチーフはメランコリー、嘆き、悲しみのメタファーとして16世紀の歌や詩の中で頻繁に登場し、フィリップス作品においても散見されるものだ。
ジョン・ベネットの「Weep,O Mine Eyes」(1599年)を下敷にした「The Calling」は、曲を構成する上昇音と下降音のそれぞれに、スーザン・フィリップス自身の声を合わせ、幾重にも押し寄せる波のように多声化した歌声が、Wilhelm Jungherzのステンドグラスと呼応しながら、今いる場所の記憶へと鑑賞者を誘う。

*一定周期で水蒸気や熱湯を噴出する温泉。火山地域にみられる

The Calling

The River Cycle 3 (2010)

イギリスのバンド、レディオヘッドの「Pyramid」(2001)をアカペラで歌った「The River Cycle 3」(2010)もまた変化する人生、変化の媒体としての水を連想させる。飛び込み台に設置したスピーカーから流れるフィリップスの落ち着いた歌声は前述の多層的なサウンドとは異なり、対峙しているような親密さを醸し出す。
また、冒頭の「私は川に飛び込んで何を見ただろう?黒い目の天使が私と一緒に泳いでいた」の歌詞と、彫刻的に設置されたスピーカーの対応関係は、曲に新たな意味を重ね合わせるフィリップスのアプローチが顕著に現れている部分でもあるだろう。

ポップミュージックの引用は記憶や感情のトリガーとしての役割を果たすとフィリップスはいう。
親しんでいた曲というのはたしかに過去の記憶と強い結びつきを感じさせる。

Deep Water Pulse(2017)

大小2つのプールをあとに出口へと歩を進めると、離れたところから聞こえていた規則的な信号音が徐々に大きくなってくる。船舶や航空機の緊急探知信号の音を使った「Deep Water Pulse」というサウンド・インスタレーションだ。
墜落事故や緊急事態が発生した際、捜索者に災害の場所を示すために使われる「ピン」という信号音。海や水中を連想させる信号音は、他の3つの作品と混ざり合い、また歌と歌の間の静寂のなかではその音だけが、心臓の鼓動と呼応するように一定のリズムを刻み続ける。

建築空間との対話を重ねて紐解かれたViktoriabadの歴史、重なり合う音の記憶、水の循環。この場所のかつての活気と生命力の痕跡を喚起させるスーザン・フィリップスのサウンド・インスタレーションは豊かな音色を紡いで、場の記憶と感情、そして鑑賞者へと共鳴する。

00:15~「Seven Tears」, 01:18~「The Calling」, 02:32~「The River Cycle 3」,03:26「Deep Water Pulse」


『Slow Fresh Fount』|Konrad Fischer Galerie

展示風景

ベルリンのKonrad Fischer Galerieで開催されたフィリップスの同ギャラリー初個展『Slow Fresh Fount』も簡単に紹介しておきたい。
「Slow Fresh Fount」はベン・ジョンソン(1572~1637)がギリシャ神話をベースにしたCynthia’s Revels (1600)の中で、*山の妖精エコーが語った「Slow, Slow, Fresh Fount」という詩をモチーフにしている。のちに4部構成の歌曲として音楽化されたこの詩。フィリップスは、原曲を抽象化しながら、ソプラノ、アルト、テナー、バスと別々に歌って録音し、それぞれの歌声が重なり合う多声的なサウンド・インスタレーションへと昇華させている。
2層に分かれた展示空間にはそれぞれドラム缶とサイロが設置され、それらに取り付けられたスピーカーからはフィリップスの美しい歌声がギャラリー空間に響き渡る。

*ゼウスが浮気している間、エコーはゼウスの妻ヘーラーに長話をして気を紛らわせようとした。このためエコーはヘーラーの怒りを買い、自分からは話かけることができず、誰かが話した言葉を繰り返すことしかできないようにされた。

樽やサイロは大きさが違うので、それぞれの音響効果が異なる。
Konrad Fischer Galerieは、反響や残響が多く、特に共鳴しやすい音響空間だという。

メロディーの完全性よりも、それらが生み出すサイトスペシフィックなエコーに焦点を当てたという本作。
2層に分かれた展示は空間的に分断しているものの、フィリップスの歌声は互いに呼びかけるように、階を跨いで響き合う。断片化した歌声が重なり合って生まれる美しいポリフォニーは強い没入感をもたらし、歌声に包みこまれているような感覚を覚える。

塩水に浸してできた一連の絵画シリーズ。塩の残留物が表面にランダムなパターンを作り出し、エコーがナルキッソスのために流した塩の涙を暗示している。詩の一部がシルクスクリーンプリントされた2点。“our beauties” “are not ours”.

ギャラリーや美術館、イタリアの貯水槽、ブランデンブルクのサイロなど、作業を検討している空間に入ると、必ずそこに電話をかけて音響を測定します。それは本能的な反応です。自分の声を空間に投影することで、その空間を測定し、共鳴や反響によって、その空間のボリュームやスケール、奥行きを把握することができます。

展示動画




スーザン・フィリップス『The Calling』
場所 : Viktoriabad (ボン)
会期 : 2021年4月29日~7月25日(会期終了)
https://www.kunstmuseum-bonn.de/de/ausstellungen/susan-philipsz-the-calling/

スーザン・フィリップス『Slow Fresh Fount』
場所 : Konrad Fischer Galerie(ベルリン)
会期 : 2021年5月1日~8月22日(会期終了)
https://www.konradfischergalerie.de/exhibitions

Slow, Slow, Fresh Fount

Slow, slow, fresh fount, keep time with my salt tears;
Yet slower, yet; O faintly, gentle springs!
List to the heavy part the music bears,
Woe weeps out her division, when she sings.
Droop herbs and flowers,
Fall grief in showers;
Our beauties are not ours.
O, I could still,
Like melting snow upon some craggy hill,
Drop, drop, drop, drop,
Since nature’s pride is, now, a withered daffodil.

Ben Jonson

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ニック・ノヴァック(Nik Nowak.1981~)『Schizo Sonics』|Kindl https://namiberlin.com/nik-nowak/ https://namiberlin.com/nik-nowak/#comments Wed, 18 Aug 2021 00:31:09 +0000 https://namiberlin.com/?p=6213

元Kindlのビール工場を改装したベルリンはノイケルン地区にある現代アート複合施設「Kindl– Zentrum für zeitgenössische Kunst」。計1600平方メートルを超える展示スペースでは常時3,4の展覧会が同時並行で開催。なかでも高さ20mのkesselhausでは国際的に活躍するアーティストによる大規模なインスタレーションが毎年9月から翌年5月の8ヶ月間にわたって公開される。kesselhausの展示ではこれまでHaegue Yang (2017), Thomas Scheibitz (2018), Bettina Pousttchi (2019)などのアーティストが参加。このスペースのために手掛けたサイトスペシフィックなインスタレーションは毎回大きな話題を呼んでいる。今回はkesselhausで2020年9月から2021年5月にかけて展示されたニック・ノヴァックのインスタレーション『Schizo Sonics』を紹介したい。

Das Studio am Stacheldraht (SaS)(有刺鉄線上のスタジオ)

拡声器戦争

第二次世界大戦後、敗戦国のドイツは、ドイツ連邦共和国(西ドイツ)とドイツ民主共和国(東ドイツ)に分断され、アメリカを中心とする「西側諸国」とソ連を中心とする「東側諸国」、いわば資本主義の西側、社会主義の東側という異なるイデオロギーが対立する冷戦の最前線に立たされた。そして1961年、自由で豊かな生活を求めて、西側へ移住する市民が後を絶たない東ドイツは自国の体制を守るべく、東西冷戦の象徴「ベルリンの壁」を建設する。
同年、東ドイツ軍は、西ドイツのコンラート・アデナウアー首相の演説をかき消すために、ソ連の軍歌や共産党の歌などのプロパガンダを壁越しに鳴り響かせた(それ以前にも同様の手法で集会などを妨害)。これを受けて、西ベルリンはRIAS(アメリカ地区の放送局)と協力して移動式拡声局『Das Studio am Stacheldraht (SaS)』を設立。大型トラックやフォルクスワーゲンのバスに最新のスピーカーを装備し、壁越しに情報やニュースを東側に放送することで報復した。これが両陣営のプロパガンダ放送合戦、いわゆる「拡声器戦争」(1961年~1965年)の始まりであり、この音の戦争は音響兵器と共に次第にエスカレートしていくことになる。


「Mantis」と「Panzer」

展示会場となるkesselhausには床一面に敷かれた砂利、その上には戦車を彷彿とさせる2台のサウンドスカルプチャーと有刺鉄線のフェンス、キツネの剥製が設置されている。フェンスを挟んで対峙する2台の音響兵器は、国境付近で睨み合う東西ドイツの拡声器戦争をテーマにしていることは先述の歴史的背景をみれば想像に難くない。
また、両音響兵器は拡声器戦争を示唆すると同時に、互いのサウンドシステムを交互に競い合って勝敗を決めるレゲエ発祥のサウンドクラッシュという文化とも関連付けられる。60年代初頭、ベルリンで使われていた移動式音響装置を直接的に参照した「Mantis」(2019年)に対して「Panzer」(2011年)はジャマイカの二大政党、PNP(人民国家党)とJLP(ジャマイカ労働党)に長年、政治利用されてきたレゲエのサウンドシステムをベースとしたものだ。長く伸びたアーム先にラウドスピーカーを備えた「Mantis」とサウンドシステムを搭載した「Panzer」。2台の対照的なデザインもまた資本主義と社会主義というイデオロギーの対立を示唆しているのかもしれない。サウンド・インスタレーション「Schizo Sonics」では、音による政治的な代理戦争、軍事機器と大衆音楽の交差点など、歴史的、政治的、文化的に異なる言説を重ね合わせながら、武器としての音の歴史が多角的に提示されている。

Mantis,2019
古い農業用のキャタピラを改造した車体に、大量のスピーカーが搭載されている

Panzer,2011

Nik Nowak vs. Ultramoodem live @ CTM 2012


Schizo Sonics

本展のために特別に制作された約40分の音声作品では、東西ベルリンの拡声器戦争の起源から、近年まで韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線付近で行われていた拡声器戦争など、物理的な境界を貫通して相手側の心身を揺さぶる音の暴力性とその歴史を4つのエピソードに分けて、物語的なナレーションで紹介している。ベルリンに住むキツネは壁崩壊後もその境界線を越えないという噂があるなどエピソードの内容も興味深い(展示会場の剥製のキツネはそのことを示しているのだろう)。加えて各エピソードの終わりに流れる歴史的な音声資料と音楽によって音の持つ暴力的な可能性が強調されている。
武器としての音の歴史を綿密にリサーチし、サウンド・インスタレーションに落とし込んだ「Schizo Sonics」は、音が我々の知覚にどのように作用するか、音が歴史の中でいかに暴力的な力として現れてきたかを問いかけている。

展示風景


ニック・ノヴァック(Nik Nowak.1981~)
ドイツ、マインツ生まれ。ベルリンを拠点に活動するアーティスト、ミュージシャン、キュレーター。2007年にベルリン芸術大学(UdK)を卒業、ローター・バウムガルテン(Lothar Baumgarten.1944~2018)よりマイスターシューラーを取得。大規模な移動式サウンドシステムの彫刻やサウンド・インスタレーションのシリーズなど、文化的な触媒として、政治やサブカルチャーの動きを操作するツールとしての音の可能性を探求。近年はドイツの分断と再統一をテーマに、サウンド・インスタレーションやパフォーマンスを行っている。
https://niknowak.de

ニック・ノヴァック『Schizo Sonics』
場所:Kindl– Zentrum für zeitgenössische Kunst(Kesselhaus)
会期:2020年9月13日~2021年5月15日(会期終了)

https://www.kindl-berlin.de/nowak

Kesselhausの次回展示はAlexandra Bircken(1967~)ミュンヘン芸術アカデミー教授)9月19日から
https://www.kindl-berlin.de/bircken

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https://namiberlin.com/nik-nowak/feed/ 1 6213
オペラ・パフォーマンス『Sun & Sea』|E-WERK Luckenwalde https://namiberlin.com/sun-sea/ https://namiberlin.com/sun-sea/#comments Tue, 10 Aug 2021 23:01:31 +0000 https://namiberlin.com/?p=7149

リトアニア出身の3人の女性アーティスト、Rugilė Barzdžiukaitė(映像作家、演出家)、Vaiva Grainytė(詩人)、 Lina Lapelytė(サウンドアーティスト)のコラボレーションによるオペラ・パフォーマンス『Sun & Sea(太陽と海)』。2017年にリトアニアのヴィルニュス国立美術館で初演を発表。その後、2019年のベネツィアビエンナーレでは、サーペンタインギャラリー(ロンドン)でキュレーターを務めるLucia Pietroiustiをリトアニア館のキュレーションに迎え、国別参加部門で見事金獅子賞を受賞した。
ベルリン郊外(中心部から南に約40分)にあるE-WERK Luckenwaldeで 7月17日、18日の2日間限定で再演された同作を紹介する。

予約開始後48時間で完売したチケットはwaiting list登録でなんとか入手。ヴェネチアに行ったときも数時間待ちでみれなかったので観れてよかった。

バトミントンに興じるカップル、砂で遊ぶ子ども、双子の姉妹、金持ちの母親。スマホを見たり、本を読んだり、日光浴をしたり。2階から舞台を見下ろすと、何気ない夏のビーチの一場面を切り取った光景がそこに広がる。会場となったのはE-WERK Luckenwaldeに隣接する1928年に設計された市営プール。
プール内に仮設されたビーチでは水着姿の老若男女、小さな子供から犬まで、環境問題や現代社会のライフスタイルをオペラで歌いながら思い思いの時間を過ごしている。

プールを埋めるために近場から75トンもの砂を持ってきたそう。(公演後には元の場所に戻された。)
冷たく湿った砂を快適な温度に保つため、E-WERKの廃熱で暖められた水を使った床暖房システムが砂の下に設置されている。

23章構成のオペラで歌われるのは、彼らの日常の経験や悩み事、思考など、各々の視点から語られる断片的な物語だ。私たちの日常を反映するそれぞれの物語、それらが織り成す複雑な全体像は、この作品を単なるエコロジカル・アートに還元しえない、詩的で批評的な性格を付与している。12章「SONG OF COMPLAINT(愚痴の歌)」はゴミや犬の糞を浜辺に放置する人たちに対する不満が歌われている。

SONG OF COMPLAINT(愚痴の歌)
12人のプロの歌手とエキストラによる舞台。自身のパート以外のところでは演者はほとんど即興的に自由に振る舞っているように見えた。始まりも終わりもなく、1時間のオペラが休憩を挟まずにループで上演される。

SONG OF COMPLAINT(愚痴の歌)

What’s wrong with people – they come here with their dogs, Who leave shit on the beach, fleas on the sand! I come home from the shore, covered with bites, and my skin itching like mad.

What’s wrong with people – they drink beer in the heat of the day! They spill it and it seeps into the sand, Then it smells like a slum-hole! Which then plays a nice duet with bites of sandwich left behind – It feels like lying all day by a homeless man!

Recently, I stretched my blanket out – right on the old remains of smoked fish – It was all rotten skin and bones! I could smell the stench as I lay down. Turning on my stomach, a foreign body – A champagne cork – poking my ribs! What’s wrong with people – is it so hard to walk to a trash bin, or what?

What’s wrong with people – they come here with their dogs, Who leave shit on the beach, fleas on the sand!…

海岸から帰ってくると、体中を刺されて、肌が猛烈にかゆくなる。犬を連れて来て、浜辺には糞を放置、砂にはノミをつけたりして、一体どういうつもりだ?

こぼしたビールが砂に染み込んで、まるでスラム街のような臭い。 残されたひとかじりのサンドイッチとなんて素敵なデュエット。 ホームレスのそばで一日中寝ているような気分だ。
暑い中、ビールを飲んでいるやつらは一体どういうつもりだ?

最近、私はブランケットをスモークした魚の残骸の上に敷いてたけど、皮も骨も腐っていたよ。 横になると悪臭が漂ってくる。仰向けになると、シャンパンのコルクのような異物が肋骨に突き刺さる始末。ゴミ箱まで歩くのがそんなに大変なのか、一体どういうつもりだ?

犬を連れてここに来て、浜辺には糞を放置、砂にノミをつけたりして…。 一体どういうつもりだ?

差し迫る気候変動、環境破壊とは一見無関係な、舞台上を覆う、軽やかで楽観的で怠惰な雰囲気。個々の無自覚な行動や振る舞いによって加速するディストピア的な状況を示唆しているのだろうか。廃墟と化したプール底を舞台とすることで、破滅的な世界観はより強調されている。
人間が壊してきたものを3Dプリンターで復元しようとする双子の姉妹によるフィナーレは象徴的だ。
徐々に疲弊していく地球の軋み、より切迫した問題として私たちに直面する気候変動の危機、希望と破滅が同居するディストピアな未来を詩的なアプローチで美しく描き出している。

3D SISTERS’ SONG (3D姉妹の歌)
双子の姉妹が歌うフィナーレ。人間が今まで壊してきたものを3Dプリンターで復元しようとする。

3D SISTERS’ SONG (3D姉妹の歌)

– I cried so much when I learned that corals will be gone.And together with the Great Barrier Reef the fish would go extinct –From sharks to the smallest fry.

– I cried so much when I learned bees are massively falling from the sky, And with them all the world’s plant life will die.

– I cried so much when I understood that I am mortal,That my body will one day get old and wither.
And I won’t see, or feel, or smell ever again…

– My mother left a 3D printer turned on. 
And the machine began to print me out.
When my body dies, I will remain,In an empty planet without birds, animals and corals.
Yet with the press of a single button, I will remake this world again:
– 3D corals never fade away!
– 3D animals never lose their horns!
– 3D food doesn’t have a price!
– 3D me lives forever!

I will print you out, mother, When I need you,
My sister too, I will print you out, When I miss you dearly.

All of us together will print out some meat,And shrimp as well, When we want something savoury to eat. And we will print out the bees,So that at least some sweetness is left.

3D CORALS NEVER FADE AWAY!
3D ANIMALS NEVER LOSE THEIR HORNS!
3D FOOD DOESN’T HAVE A PRICE!
3D ME LIVES FOREVER!

珊瑚がなくなると知ったときはとても泣きました。グレートバリアリーフと一緒に魚も絶滅してしまう。サメから一番小さい雑魚まで。

蜂が空から大量に落ちてきて、それと一緒に世界中の植物が絶滅すると知ったときはとても泣きました。

自分が死すべき存在であること、自分の体もいつかは老いて 枯れてしまうことがわかったときはとても泣きました。そして、もう二度と見ることも、感じることも、嗅ぐこともできない。二度と…

母が電源を入れたままにしておいた3Dプリンター。
その機械は私をプリントアウトし始めました。私の体が死んでも、私は残る。鳥も動物もサンゴもいない空っぽの惑星に。でも、ボタン1つでこの世界を作り直すことができるのです。

3Dサンゴは消えない!
3D動物は角がなくならない!
3Dの食べ物には値段がつかない!
3Dの私は永遠に生きる!

お母さん、私はあなたをプリントアウトします。
私があなたを必要とするときに。
私の妹も、あなたをプリントアウトします。
あなたがいなくて寂しいときに。

美味しいものが食べたい時には、みんなでお肉やエビをプリントしましょう。それと甘いものが食べたいときのためにミツバチも。

3Dサンゴは消えない!
3D動物は角がなくならない!
3Dの食べ物には値段がつかない!
3Dの私は永遠に生きる!

参照:『Sun & Sea』台詞(英語) https://www.sunandsea.lt/Sun-and-Sea_libretto.pdf


気候変動の危機をテーマにエコロジーとアートの交差点を探る『Sun & Sea』。本公演は準備や実施においてもできるだけCO2を排出しないカーボンニュートラルが実現され、電力はすべて再生可能エネルギーで賄われた。このコンセプトは隣接するアートセンター、E-WERK Luckenwaldeの運営方針とも完全に一致している。


『Sun & Sea』のお隣、2年前から現代アートセンターとして使われている旧石炭火力発電所E-WERK Luckenwaldeの展覧会会場。ここでもグループ展が開催されていた。

屋外の緑豊かなカフェスペース。観賞後はノンアルコールドリンクが無料で振る舞われた。


E-WERK Luckenwaldeでは今後「POWER NIGHTS: Being Mothers」展が9月から開催。「Sun & Sea」のキュレーションを務めたLucia Pietroiustiがゲストキュレーターとして指揮をとる。同展覧会でも100%再生可能エネルギーを使い、未来のアート機関のプロトタイプとして、インスタレーション、パフォーマンス、映像作品を展開していく予定だ。なお、現在ワールドツアー中の「Sun & Sea」は今後、9月にアテネ、11月にスウェーデンと引き続き公演を予定している。

ついでに3人がコラボレーションした前作『Have a Good Day!』2013年も紹介。
スーパーマーケットのレジで働く女性が自分たちの生活についての歌を歌うパフォーマンス作品。


『Sun & Sea』|E-WERK Luckenwalde
会期:7月17日、18日
https://www.kunststrom.com/sun-sea-en.html
Lucia Pietroiusti インタビュー
https://www.berlinartlink.com/2021/08/06/lucia-pietroiusti-interview-ewerk-luckenwalde-curator/
『Sun & Sea』特設サイト
https://sunandsea.lt/en



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