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Solidarity with Ukraine『ウクライナへの連帯と支援活動』 | MERZ

Solidarity with Ukraine『ウクライナへの連帯と支援活動』


3月上旬のある日、ベルリン中央駅に立ち寄ると、黄色と青のウクライナ国旗と矢印が書かれた案内が多く目についた。気になってその先に進んでみると、U5(地下鉄)の入り口にたどり着く。
一時的な避難所として、食料や飲み物、衣服の無料配給ほか、寄付金の呼びかけや情報共有の掲示板、Free Wifiまで避難民が必要とする最低限の物資・情報が手配された駅構内。「バス、食べ物、住居」と、誰がみてもわかるような簡易的な紙の案内が掲示板に貼られ、近辺には避難してきた人のみならず、ボランティアスタッフ、自宅のスペースを提供しようする人や取材陣まで大勢の人で溢れていた。
ポーランドを経由して逃れてきたウクライナ難民の玄関口として、こうした避難所はベルリン各所に増え続けており、ロシアを非難し、ウクライナと共にあるという連帯の輪は現在「Solidarity with Ukraine(ウクライナへの連帯)」「No War(反戦)」のスローガンのもとデモや支援といったかたちで世界中に拡大している。

1ヶ月前から数千人から1万人のウクライナ難民が連日、ベルリンに到着している。ドイツは2015年にも多くの難民を受け入れたがそれとは比較にならない状況だという。一時的な休憩所となった駅構内には食料、飲み物、衣服の支給スペースほかワクチン接種所もあった。ベルリンの避難所(旧テーゲル空港、ホステルなど)はすでに満員状態、あるいは短期的な滞在しかできないこともあり、ここから別の街に向かっていく難民も多い。

ウクライナ語の情報が貼られた駅の柱


人々が助け合い、支援の手を差し伸べるこのような光景がメディアに大きく取り上げられるいっぽう、難民への人種差別や偏見といった問題も同時に浮上している。ウクライナの国境検問所で人種差別的な対応が起きているように、さまざまな背景も持つすべての難民が無条件で受け入れられているわけではない。
中国のアーティスト、アイ・ウェイウェイがインタビューで、そうした問題や欧米のダブルスタンダードについて次のように語っていたのが印象的だった。

「新聞を開いて、差別についてどれだけ小さなスペースしか与えられていないか見てください。あるいは、アメリカのアフガニスタン侵攻がどれだけ議論されなかったか。1週間でのウクライナの報道は、30年間のアフガニスタンの報道を上回っています。なぜ誰もイエメンでの戦争について語らないのか?人の命の価値はそれぞれ違うのか?私たちは、こうした対立を知りながら、気にも留めていない。」

https://www.derstandard.de/story/2000134231225/ai-weiwei-der-westen-ist-scheinheilig


これまでもドイツやヨーロッパを批判し、物議を醸してきたアイ・ウェイウェイ。「西洋は偽善者だ」という彼の発言はともすれば「連帯」に対する冷笑的な意見ともとれるが、アフガニスタンやギリシャ・イドメニなど世界中の難民キャンプを訪れ、難民問題と向き合い続けてきたアーティストの言葉として、少なくとも私のようなドイツに住む一外国人にとっては説得力があった。
ヨーロッパからしてみれば、他の紛争と違い、今回は全面戦争に発展しうる当事者だからこその連帯表明なのだろう。それでも実際に手厚いサポートを受けているのは同じ色の目と肌をもった「隣人」であり、BIPOC(黒人・先住民・有色人種)やウクライナの永住権を持たない外国人、留学生の一部は、肌の色や国籍といった序列により「選別」され、同様のサポートやケアを受けられない状況に置かれている。他の紛争地域から逃れてきた難民に至っては今回の特例を受けることすらできない。

ロシアによるウクライナ侵攻はもちろん強く非難されるきべきことであり許されないが、「ウクライナとの連帯」というスローガンによってかき消された小さな声もそこには存在する。連帯によって生じる断絶や差別もまたあってはならない。先に述べた人たちへの対応はもちろん、母国に帰りたくても帰れないロシア人留学生らの精神面・金銭面でのケアも早急に必要だろう。

ブランデンブルク門前の反戦デモ


自分の住んでいる世界とは関係ない、戦争は私たちの生きる世界では起こらない、これまでニュースで見聞きしていた紛争をどこか他人事のように眺めていた人は少なくないと思う。
私自身「ウクライナの連帯」を声高に叫べば叫ぶほど、これまで起きていた争いに対する自らの無関心や差別意識が炙り出されるような気がした。それでもただその推移を傍観しているよりは現状に対して声を上げ、何かしら行動を起こすべきだと思う。


ウクライナへの支援

  • 寄付をする。現物支給の場合は、それが本当に必要なものかどうか確認する。
    ベルリンの難民支援団体Be an Angel e.V. 。寄付金は全額、ウクライナからベルリンに逃れてきた難民への支援活動にあてられる。この記事へのサポート(投げ銭)は全額この団体への寄付金として使わせていただきます。

    Be an Angel e.V.  
     Konto: 014 522 59 00 
       BLZ :100 708 48 (Deutsche Bank)
    IBAN: DE37100708480145225900  
    BIC: DEUTDEDB110

    Be an Angel e.V.のHPからオンラインでの寄付も可能。
    www.beanangel.direct

    その他の支援団体、Caritas InternationalDeutsche Rote Kreuz (ドイツ赤十字)など
  • ボランティア活動に参加する
  • デモや集会、イベントに参加する
    K20美術館『Stop War – space for solidarity(連帯のためのスペース)』など
    https://www.kunstsammlung.de/de/exhibitions/stop-war-space-for-solidarity
  • 正しい情報を共有する
  • 宿泊場所を提供する
    https://www.unterkunft-ukraine.de
Nami
2015よりドイツ在住。現在はドイツの美大に在学中。 主に絵画のことについて。

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