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ボロス・コレクション『Sammlung Boros #3』 | MERZ

ボロス・コレクション『Sammlung Boros #3』

Avery K. Singer (1987~)

前回記事に引き続き、2017年から現在にかけて開催中の第3弾「ボロス・コレクション #3 」を紹介。
前回の「ボロス・コレクション#2」が2012年から2016年までだったので展示替えはおよそ4年ぶり。普段は完全予約制のガイドツアー形式でのみでしか入れないが、予約するのが億劫なので今回も予約なしで入れるベルリンアートウィーク期間中(毎年9月)を狙って行ってきた。(1年以上前)


新しい展示ということもあってかリストには知らない作家の名が多く並び、しかもその多くが1970年代後半から1980年代生まれという若さ。前回の展示と打って変わってペインティンが多いというのも今回の特徴。その分、絵画好きにはいいが前回と比べて派手さはなく、どこか物足りなさを感じる人もいるかもしれない。

エイヴリー・シンガー (Avery K. Singer.1987~)
Topos 2014

3Dモデリングソフトによる下絵をもとにエアブラシ(アクリル)を使って描いたAvery K. Singerの絵画。抽象的な画面に見えるがロボットののような人がテーブルを挟んで対座している。
追記:エイヴリー・シンガー最新記事

Uwe Henneken (1974~)
おとぎ話や童話のようなファンタジックな世界を描くベルリン在住、ドイツ人アーティストのUwe Henneken。

グロかわな立体作品もつくってたり。

He Xiangyu (1986~)
untitled, 2017

ベルリンを拠点に活動する中国人アーティストHe Xiangyu のインスタレーションは1970年代後半から2015年まで続いた「一人っ子政策」をテーマに扱った作品。
展示室にランダムに置かれているのは18金でできた空の卵パック。しかし、よく見るとそこに二つだけ卵が入っている。それまで一つしかなかった卵を2015年、一人っ子政策の廃止によりもう一つ追加したらしい。

Yngve Holen (1982~)
ベルリン在住ドイツ人アーティスト、Yngve Holen のHater Headlight という作品シリーズ。工業製品をオブジェクトとして使った立体作品、インスタレーションなどを手がけている。

ミッシェル・マジュリュス (Michel Majerus.1967~2002)

2002年、ドイツで起きた飛行機事故により35歳という若さで亡くったドイツ人アーティストのミッシェル・マジュリュス。
日本では2006年、国立国際美術館の『エッセンシャルペインティング展』でエリザベス・ペイトン、マルレーヌ・デュマスらとともに90年代を代表するペインターとして紹介された。

ミッシェル・マジュリュスの絵画の多くは、ゲーム、漫画、広告、テレビ、映画など日常的に目にするポップカルチャーや美術史の視覚イメージを参照としている。
なかでも印象的なのは日本発祥の漫画やゲームのキャラクターをそのままモチーフとした作品群。当時の流行を反映したセーラームーンやマリオ、トイストーリーなどのキャラクターが看板絵のようなあっさりとした手法でキャンバス上に描かれている。
今でこそ珍しくないコンピューター画面のようなデジタル画像やフォトショのレッタチ的な処理をいち早く絵画に取り入れたのも、かなり先駆的な試みだろう。
アンディー・ウォーホルやジェームズ・ローゼンクイストら、ポップアートの手法を援用しながらも、モチーフの選択や配置、絵具の扱いには、先のアーティストにはない絵画的な魅力を感じる。

著作権は大丈夫なのかという絵も多々あったり。

19人のアーティストに80部屋の展示室が割り当てられるため、一人一部屋の個展形式というわけではなく、同じアーティストの作品も、それぞれの作品の性質に合わせて展示室が分けられている。

Katja Novitskova (1984~)
Pattern of Activation, 2014

ベルリン、アムステルダムを拠点に活動するエストニア出身アーティスト、Katja Novitskova のインスタレーション。

ざっくりではあるがこれでボロス・コレクションの紹介は終わり。この第3回展示は2022年まで開催されているので、まだ観ていない人は是非訪れてほしい。建物自体が魅力的なのでアートにそこまで興味がない人でもきっと楽しめるはず。
予約が面倒だという人は毎年9月に開催されるベルリンアートウィーク中だと例年通りであれば予約なしで入ることができる。長蛇の列に並ぶことになるが。。


第三回参加アーティスト
Martin Boyce, Andreas Eriksson, Guan Xiao, He Xiangyu, Uwe Henneken, Yngve Holen, Sergej Jensen, Daniel Josefsohn, Friedrich Kunath, Michel Majerus, Fabian Marti, Kris Martin, Justin Matherly, Paulo Nazareth, Peter Piller, Katja Novitskova, Pamela Rosenkranz, Avery Singer, Johannes Wohnseifer. 


[おまけ] 第3回ボロス・コレクションの個人的オススメアーティスト。ミッシェル・マジュリュスの回顧展動画


Sammlung Boros(ボロス・コレクション)
入館料:15ユーロ
開館時間:木〜日
完全予約制 : ホームページから予約可。英語/独語による1時間半のガイドツアー
Bunker, Reinhardtstr. 20
10117 Berlin-Mitte
https://www.sammlung-boros.de

Nami
2015よりドイツ在住。現在はドイツの美大に在学中。 主に絵画のことについて。